翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

地球の反対側でレニングラード・カウボーイズを語る

カウチサーフィンで知り合ったイギリス人紳士と剣道の試合を見に行ったり、シンガポールの才媛に現地を案内してもらいました。

d.hatena.ne.jp

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私が最も会いたいのはフィンランド人。でもコンタクトを取ってくるのは、アメリカ人、オーストラリア人、イギリス人、デンマーク人、ノルウェー人…。
待っているだけではだめだと思い、東京を訪れる旅行者からフィンランド人を探し出しメールを出しました。

そうして出会ったのが、ヴィレとモニカのカップルです。ヴィレはタンペレ、モニカはヘルシンキに住んでいます。
「寿司が食べたいけれど、あまり高額だと旅の予算が厳しい」というので、回転寿司に行きました。場所は高円寺。これも二人の希望です。ユニークな街として海外のガイドブックに紹介されているのでしょうか?

高円寺の回転寿司では、寿司は回っていませんでした。タッチパネル方式で注文すると、厨房で寿司が握られ、ベルトコンベアに乗って運ばれてきます。このハイテク方式に二人は大喜び。動画を撮っていました。

すばらしいことにタッチパネルは英文表示にも切り替えられます。寿司のネタを英語で説明する必要もなく、各自が食べたいものを好きなペースで注文できます。

ヴィレはカウリスマキ映画のファンで、レニングラードカウボーイズのトータルバラライカショーのCDも持っています。
「ヨレ・マルヤランタは今も有名なの?」
「有名といえば有名だけど、フィンランドの人口はたった500万人。彼は今フィンランド語で歌っている。国内だけを相手にした人気スターというのはあまりいないんだよ」とヴィレ。
レニングラードカウボーイズは、AKB48のようなシステムで、ヨレ様卒業後も新規メンバーが入り、今も活動を続けていますが、ヴィレによるとドイツでの公演が多いそうです。彼らは英語で歌っています。

「アメリカでは、フィンランドといってもどこにあるのか知らない人も多いのに、日本人はフィンランドのことをよく知っている」とモニカ。
それはムーミン・アニメの力でしょう。
モニカはフィンランドでは少数派のスウェーデン系。トーベ・ヤンソンと同じです。
回転寿司の次に行った喫茶店の女性スタッフが「フィンランドに旅行する予定」とのこと。映画「かもめ食堂」の影響で、カフェや雑貨好きの女子にもフィンランドは人気です。

北欧三国として、スウェーデンノルウェーと一括りにされがちですが、私が惹かれるのはフィンランドだけ。素朴でのんびりしたところが好きです。
スウェーデンノルウェーには王室がありますが、フィンランドにはありません。
「僕らは森の民(フォレスト・ピープル)だからね、権威とは無縁なんだ。王様なんて、いなくていいんだよ」とヴィレ。
そういえば、ノーベル賞文学賞、物理学賞、化学賞、医学・生理学賞はスウェーデンが決めますが、平和賞はノルウェーが決めます。フィンランドだけ蚊帳の外です。
アキ・カウリスマキアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされても、アメリカのイラク政策に反対して授賞式出席を拒否したのも、フィンランド人ならではの行動なんでしょう。それでいてカウリスマキは日本に来ると、真っ先に小津安二郎のお墓参りをしています。

9月からフィンランド語を習っているのですが、「今、何時ですか?」「これはいくらですか?」という問答にようやく到達したところ。
「日本でフィンランド語を学ぶなんて、本当に変わっているね」と感心する二人に、いつかヨレ様に会ったら言いたい台詞をフィンランド語で教えてもらいました。
「あなたの声はすばらしい」
「あなたのために、私はフィンランドに来た」

ネットのない時代、人との出会いは偶然に左右されていました。国境を超えてとなれば、その度合いはさらに大きくなります。
でも今はネットを駆使すれば、会いたい人にピンポイントでコンタクトを取ることも可能です。

「まさか地球の反対側でレニングラードカウボーイズの話をするなんて、想像していなかったよ」とヴィレ。
そんな出会いが可能になった時代に生きているのは、とても楽しいことです。

日本が好きなフィンランド人にもカウチサーフィンでコンタクトできます。大学時代に日本語を専攻したヘルシンキ在住の40代の女性編集者とは、職業も似ているので意気投合し、メールを交換しています。彼女は宮崎駿のファンです。
そのうち、地球の反対側で宮崎アニメについて語ることになるでしょう。