翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

運命と折り合いをつける

ロンドンオリンピックが開会しました。数多くのドラマが生まれ、大きな脚光を浴びるヒーロー、ヒロインが生まれることでしょう。

占い師の常として、世間の注目を集める人物の誕生日を調べ、その理由を探ります。スポーツ選手や芸能人は、成功の物差しがオープンなので、格好の研究材料となるのです。

でも、同じ日に生まれたとしても、ある人は金メダルを取り、大多数の人はスポーツとはまったく関係のない平凡な日々を送っています。
一説によれば、地球上で一日に生まれる赤ちゃんは約20万人。四柱推命は2時間ごとに時柱が変わりますから、同じ誕生日でも12パターンの命式が導き出されます。それでも、1万6000人以上はまったく同じ命式となります。

世界的な風水師であるレイモンド・ローの四柱推命の著作には、同じ命式なのに異なった人生を歩むのはなぜなのかを、ビル・ゲイツの例を挙げて解説しています。
 

 ビル・ゲイツと同じ瞬間に生まれた他の赤ちゃんの命式には、ビジネスマンとして質が良く、さらにお金持ちになる潜在性も秘めています。しかし、誕生日が一緒だけでは、成功の度合いや、基準は固定されていないのです。たとえ、あなたがビル・ゲイツとまったく同じ出生情報を持っていたとしても、彼のように成功するためには、他の要素もたくさん付加しないとなりません。
 たとえば、努力や勤勉さ、職業決定に関する賢い選択、重要な場面での正しい決定、住居やオフィスにおける風水的見地からの適切な地理的位置、良い両親やパートナー、良い配偶者や子どもたちなどがそれらの要素に当たります。これらすべたがその人の人生の傾向の基準に寄与し、自由意志が重要な役割を果たすのです。

レイモンド・ロー著作 山道帰一監訳 島内大乾翻訳「実践 四柱推命 人の運命と健康のありかた」太玄社

賢い選択をするために占いは有益な情報を提示します。ただし、占い師は100%の答えを持っているわけではないので、盲目的に占いに従っても成功は保証されません。
占いを意思決定の手段の一つとして、自由意志を働かせて活用してください。
 

 人々の間で論争になるのが、もし命と運が出生日で決まるとしたら、それを変えることはできるのか、という問題です。理論的には、命も運も変えることはできません。なぜなら、人が生まれた後に出生日を変えることはできないからです。占い師の中には、運命を変える手段があるという人もいるようですが、それはまったくの嘘です。
 私は、運命は変えられなくても、運命を理解することにより、それを改善したり、どうにかしてうまく扱ったりすることはできると考えています。<中略>運命に対してうまく折り合いをつけたり、管理したりするための自由意志が働く余地が十分にあるのです。
(同上)

運命に対してうまく折り合いをつけるために占いは役に立ちます。
懸命に努力したのに結果が出なかったとき、自分だけを責めると苦しくなり自暴自棄に陥ることもあります。

またスポーツ選手は、身体能力がピークに達する若い時期に栄光を手にしても、その後の人生の舵の取り方はけっこうむずかしくなります。占いを活用すれば、視野が広がり、再スタートを切るのが楽になることもあるでしょう。