翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

失敗する自分を受け入れる

子供の頃、母に届いた恩師からの葉書代が不足していたことがあります。

調べてみると、昭和47年、葉書代が7円から10円になった年です。母は配達員に不足分の3円を払い、「とてもしっかりした先生だったのに、もうお年なんだろうね」とつぶやいていました。

 

昨年、友人にレターパックを送った後で消費税分の値上げ分10円が不足していたことがわかり、大慌てで詫びました。

 

2月末、実家の後片付けで帰省した帰り道。

伊丹空港でチェックインしようとしたらJALカードが反応せずゲートが開きません。確認したら、伊丹→羽田ではなく逆区間で予約していました。行きは新幹線で帰りだけJALにしたので、間違えてしまったのでしょう。早割便なのでいつもならキャンセル代が50%かかるところでしたが、緊急事態宣言中だったので無料でキャンセルできました。伊丹から新大阪に出て新幹線で東京に戻り事なきを得ました。

 

それから、先日の指宿リヒトの予約でも失敗しました。

リヒトの会員ホームページから予約したはずのに、リヒトではなくワ―ケーションの予約となっており、現地で大いにあせりました。幸いなことに、指宿ベイヒルズのフロント及びリヒトのスタッフが柔軟に対応してくださり、リヒトでの滞在を満喫できました。

大きな失敗といえばこの2つですが、それ以外にもちょくちょくあります。

 

たとえば3月、玉紀さんのインナーチャイルド会。Zoom開催で、指示されたURLを開けて待っているのに時間になっても動きがありません。ぼんやり待っていたら玉紀さんから電話があり、私が開いていたのは前日の会のURLであることが判明しました。

 

そして新宿の銀行での手続き。最近の銀行は予約制となっており、外貨関連などは大きな支店でしか取り扱いがありません。ネット予約まではうまくいったのに、東口支店と西口支店を間違えて大恥をかきました。手帳には西口と書き込んでおいたのに、月に一度のボランティアで通っている献血センターが東口の銀行の上にあるため、新宿の銀行支店といえばあそこだという思い込みがあったらからです。この時も、窓口の人が親切に西口支店に連絡を入れてくださり、助かりました。

 

若いうちから注意力散漫によるミスはありましたが、年を取るにつれて頻度が多くなっていくのでしょう。老人だからしかたがないと世間に甘えるのではなく、できるだけ防止するためにどうしたらいいかを考え続けたい。

 

とりあえず、失敗したらメモして、防止策を講じるようにしています。 

ネットでの申込みや購入は決定する前に画面の下までスクロールして、確認すること。できれば、一晩置いて、決定は翌日に。ただ、飛行機や新幹線はこの期間までに予約すれば割引という制度があり、つい前のめりになって予約しがちです。

そして、スケジュールをぎりぎりに詰め込むのではなく、ゆとりを持って動く。JALの予約や銀行の支店を間違ってもなんとかなったのは時間のゆとりがあったからです。待たせるより待つ方が精神的にも楽ですし、「時間がない」とパニックになればさらにミスを重ねる恐れがあります。

 

今はこうしてじたばたしていても、最終的には、失敗する自分を受け入れなくてはならなくなるでしょう。

 

思い出すのは、湯島聖堂の陰陽五行講座を受け持っていた中国哲学の大家です。受講生からのたっての願いで、80代半ばの先生に講座を続けてもらっていました。体調を崩して突然休講になることもありましたが、受講生は納得していました。

ある日、時間になっても先生が現れず、事務局がご自宅に電話をしても外出中とのこと。移動中に何かあったのではと教室がざわざわしました。

 

先生はご無事でした。講義の日だということを失念して床屋にいたとのこと。ほどなく講義辞退の申し出があり、今度ばかりは受講生も受け入れるしかありませんでした。長年教壇に立っていた先生は、もう完全に引き時だと悟ったのでしょう。

 

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老いに抵抗するのは、風車に挑むドン・キホーテのよう。