何があっても、旅だけはやめられません。
洋服やバッグ、アクセサリーのように形として残らないこそ、最高のお金の使い方だと思います。旅先では食べ物以外のおみやげも買いません。
去年の冬に訪れたバンコクを再訪。
水曜の深夜の羽田発で日曜の夕方の帰国便。前回は出発ぎりぎりまで日本語学校の授業準備に追われていましたし、帰国時は「明日から学校…」と暗い気持ちになったものです。
解放された気分でバンコクを満喫したいと思い、同じ日程で旅しました。
チャオプラヤー川沿いのロイヤル・オーキッド・シェラトンのホスピタリティに感動して、二度目の宿泊にも選んだのですが、よくわからなかったのが水上交通システム。
15バーツ(約50円)と60バーツ(約200円)の船があります。同じ距離で4倍の価格差です。安いほうはチャオプラヤー・エクスプレスで地元民の足。高いほうは観光客用でした。
チャオプラヤー・エクスプレスは混雑していて席がないこともあります。そして到着地に近づく前に船後方に移動しておかなければなりません。到着するやいなや乗務員は「速く!速く!」とせかします。東京都のバスの「危ないですからバスが完全に止まるまで動かないでください」に慣れた身には衝撃的でした。おろおろしている観光客はお呼びじゃありません。
バンコクを代表する観光地のワット・プラケオ(エメラルド寺院)の外国人入場価格は500バーツ。1500円強です。タイ人は無料。
そうしたからくりがなんとなくわかったのが、この本。
タイは身分社会であり、服装や持ち物で人を判断する。金持ちは金持ちらしい輻輳し、その服装にふさわしい場所に出入りする。貧乏人は、そうした場所に入っていかない。ところが、自称貧乏人の外国人旅行者は、貧乏人の服装をしていながら、金持ちが出入りする場にも姿を現わし、異臭をまきちらす。それでいながら、「タイは不潔だ」などという外国人旅行者を、タイ人たちは鼻持ちならないヤツらだと思っている。
タイに観光に来る余裕があるなら、おとなしく外国人料金を払えということなんでしょう。
東京だって同じです。巨大なスーツケースと混雑時の電車に乗り込んでくる外国人に「タクシーを使うか、ラッシュ時を避けろよ」と舌打ちする東京在住者は多いはず。
旅人の観察は一過性。繰り返し訪れることで、少しずつわかっていくのでしょう。バンコクは何度も行きたい場所です。
雨季の始まりでしたが、一度も降られませんでした。日中は暑かったけれど、東京の酷暑を体験していれば耐えられます。