翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

欲しいものは欲しいと言ったら沈黙する

優春翠とは、定期的に近況報告をしています。占い学校の四柱推命講座が最初の出会いの場でしたが、五行の喜忌(木火土金水のどの五行が巡ってきたら吉か凶か)が一致しているようで、相手の状況を聞けば、自分の運気もよくわかるのです。
新しいことを始めるタイミングもほぼ同じ。優春翠は故郷の島根と関東の二拠点生活を始め、占いの仕事に加えNPO法人でカフェも運営するようになりましたが、私もライター業のかたわら、日本語教師になりました。

占い学校で席を並べていた頃、優春翠は「将来は島根と関東を行ったり来たりして暮らしたいので、自由業として働ける占い師がいいと思った」みたいな話をしていました。

占い業界には「幼いころから霊感が強く数々の不思議な体験を経て…」「代々続く霊能者の家系に生まれ…」というタイプも多いのですが、優春翠の前職は外資系営業ウーマン。厳しい営業の現場で鍛えられた対人スキルもあり、あれよあれよといううちに、鑑定能力が磨かれ、予約のお客さんだけで仕事が回るようになりました。そうなるとスケジュールも管理しやすく、関東で集中して仕事をして島根では好きなことをするという生活パターンができあがりました。

当初、島根は東京からとても遠いところというイメージがあり、優春翠の話も今一つ現実味が感じられませんでした。しかし、それから数年後、ちゃんと言葉通りの生活を実現しています。

なるほど、欲しいものは言語化すると実現するのか。アファメーション(affirmation)はやっぱり効果があるんだ!

一方の私は日本語教師になろうと思い立ちました。資格取得のため養成講座に通っていたものの、こむずかしい文法の授業は聞き流し、期末ごとのテスト結果は低空飛行、文型導入の実習も大の苦手という劣等生でした。正統派の日本語教師ではなく、「外国人の日本オタクにちゃらちゃら教えたい」と同級生に話していたものです。

先日の作文クラスのテーマは「私の好きなもの」。
犬と猫では圧倒的に猫好きが多く、ニャンコ先生が登場する『夏目友人帳』はフランスとドイツで人気だそうです。少数派の犬好きのメキシコ人学生が「私は猫が好きじゃありません」と言おうとして「私は猫じゃありません」と口が滑り、「あなたは猫じゃありません。あなたはヒトです」と台湾人学生が突っ込みます。

ベルギー人学生の作文。
「私は宇宙人が好きです。でも、宇宙人は地球にいません。だから、『ケロロ軍曹』が好きです。」
大笑いしながら、日本語教師養成講座に通っていた頃の夢が実現したことに気づきました。


島根では有福温泉の樋口旅館に宿泊。露店風呂には、竹の筒に入った日本酒が! 「温泉と酒、この世で好きなものベスト2を一気に楽しみたい」という願いが実現しました。

しかし、欲しいものを欲しいと何度もしつこく言い続けると、遠ざけてしまうのも開運術のむずかしいところです。物欲しげにしていると、欲しいものは目の前を通り過ぎてしまいます。

別に欲しいと言ってもいないのにノーベル賞が舞い込んだディラン先生は例外ですが、欲しいものはしっかり意識して言語化しつつ、執着しない。ひとたび口にしたら後は沈黙する。その絶妙のバランスを身に付ければ、最強の幸運体質になれます。ある日ふと「あれ、昔、言っていたことが実現してる」という展開が理想です。