翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

人と巡り会うためには、Airbnbよりカウチサーフィン

NHKラジオの実践ビジネス英語では、英語を学ぶだけでなく、アメリカの社会の動きを知ることができます。

9月後半のテーマは「コラボレーティブ・ライフスタイル」。共同(連帯、協力)する生活様式とは、モノを購入する代わりに、レンタルやシェアすることです。

Rent is now the new own.(賃借は今や新しい所有)というフレーズが耳に残りました。
景気の先行きが不透明で、家や車を所有することを目標にしないアメリカ人が増え、ネットを活用することでレンタルやシェアの相手を探すのが簡単に。知らない人と車の相乗りをしたり、部屋を貸すのは不安に感じるけれど、評価をチェックできるシステムも整備されてきたという話です。

そもそも、土地については、個人が地球上の一定スペースを所有するのはおかしい話です。土地の私有を認めないと社会が混乱するので、便宜的にそうしているだけではないでしょうか?

エリザベス2世(現女王)の名言。
Work is the rent you pay for the room you occupy on earth.
仕事とは、自分がこの地球上で占めているスペースの賃貸料である。

王室に生まれ、女王の位に就いた人ならではの言葉です。

NHKビジネス英語では、杉田先生とヘザーさんが番組のトピックについて自由に話し合う「トーク・ザ・トーク」というコーナーがあります。

kamomeskyさんがいつも英文を文字起こししてくださるので、助かっています。
http://d.hatena.ne.jp/kamomesky/
ヘザーさんは、シアトルに旅行する予定があるので、個人の家を借りるサービスを検討しているとのこと。「2008年から始まったサービスで190か国、60万件以上の物件がある」というので、Airbnbのことでしょう。

Airbnbは個人の家に泊まり、対価を払いますが、カウチサーフィンは無料です。

東京でカウチサーフィンのホストをやっているのは在日外国人が多く、実際に自宅に泊める日本人はそう多くないためか、カウチのステータスを「メイビー」にしておいても、ちらほらリクエストが送られてきます。
だけど、ホストしたいと思わせる人はめったにいません。
カウチサーフィンのプロフィールには、どんなカウチサーファーをホストしたいのか書いてあるのに、ろくに読みもしないでリクエストを送ってくるサーファーもいます。

decline(お断り)の返信用にいくつかの文章をテンプレートに入れています。
「私のリクエストにも書いてある通り、ホストした経験(good hosting experience)のある人を希望しています」
「リファレンスがまったくない人をホストするリスクは取りません」
「あなたのプロフィールを読んで、あなたと私には、あまり共通の話題がないように思えます」等々。
最後に「日本ですばらしい経験ができるようにお祈りしています」で結ぶのですが、就職人気企業の人事部のように、これほどたくさんの「お祈りメール」を送る羽目になるとは。
カウチサーフィンの登録者が増えるにつれて、文化交流という意識が薄れ、無料宿泊所が見つかればラッキーという人が増えているのでしょう。

Airbnbをやっているという人で、私が実際に会ったのは、シカゴのマイケルです。
リグレーフィールドを見下ろせるゴージャスなコンドミニアムに独立した客用寝室を持つマイケルなら、Airbnbとカウチサーフィンを使い分けながら、有意義な出会いを求めることもできるでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20140518/1400376774

私の家の近所のAirbnbの相場を調べてみたところ、4畳半個室ではせいぜい1泊3000円といったところです。
マイケルは「ちゃんとした大人は対価を払いたいものだから、Airbnbを選ぶ」といいますが、3000円という金額は微妙です。

他の人はどんな風にカウチサーフィンを活用しているのかを知りたくて、見つけたブログ。
書いているのはニューヨーク州立大学に留学中の20代前半の方です。

時にカウチサーフィンは、価値観を広げてくれたり、夢の疑似体験をさせてくれる。http://nosumaru.com/?p=4678

マンハッタンの一等地のおしゃれな部屋に泊めてもらった体験談です。ホストは仕事が多忙で帰宅が遅くなるため、ドアマンにキーを預けていたそうです。
一度も会ったこともない旅人を無人の部屋に招き入れるほど信頼するとは、いったいどんなカウチサーファー選別法を用いているのでしょうか?
その答えは最後に書かれていました。

ちなみに彼は、リクエストしてくる人は基本的には泊めないそうです。彼が泊めてあげたい人を自らInviteする形でやっているそうで、自国で自分もたくさんホストしている人を泊めてあげるそう。日本でホストしてて良かったーって思いました。運が良かったです。

なるほど。
カウチサーフィンは、ホストにダイレクトにリクエストを送る方法とは別に、旅の目的地に「何日から何日まで旅行するので、ホストを求めています」というオープンリクエストを書き込むことができます。
このホストは、ニューヨークを訪れる旅人の中から、これぞという人を選んでいるのでしょう。

本当に気の合う人と巡り会うためには、一方的に待っているだけでなく、自分からも何らかのアクションを起こすべきでしょう。
別にカウチサーフィンで大親友を求めているわけではないけれど、思い出すたびに心が温かくなるような関係を作りたいのです。
そんな期待を持って、カウチサーフィンを続けることにします。


私にとってカウチサーフィンのゲスト第一号となったスザンヌは、旅先から絵葉書を送るのが趣味。この一年で3通も届きました。オーストリアからエーデルワイスの花、アルザスの街並みなど、いつも楽しませてくれます。
こんな出会いもあったのですから、カウチサーフィンはやっぱりすばらしいシステムだと思います。