翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

酔っ払いにも役割がある

私が坐禅を始めたのは、まさにご縁があったから。
人生で起こることのすべては、人との縁によって生じます。まさに「縁起」です。

ボブ・ディランの「テーマ・タイム・ラジオ・アワー」では、毎回、おもしろいエピソードが紹介されます。
Colore(色)がテーマの回では、ナット・キング・コールの「Orange Colored Sky」がかかりましたが、ナットが歌手になったいきさつを知ってびっくりしました。

もともと、ナットはジャズピアニストでした。
ある日、舞台でピアノを弾いていると、酔っ払いのお客が何度も「スイート・ロレイン」を歌えとリクエストしました。
ナットは歌う予定はなかったのですが、酔っ払いがあまりにもしつこくリクエストするので、その人をだまらせるために、しぶしぶ歌いました。
ナットが歌うと、その場にいた客はみんな大喜びし、その結果、大歌手が誕生したのです。

しつこいリクエストって、最も嫌われる酔っぱらいの行動ですが、この場合は、天の意図に操られていたとしか思えません。

運のいい人、悪い人の違いというのは、こうしたサインに従うか、見逃すかです。
「こいつにはこんな生き方をさせよう」という天の意図のようなものはあるけれど、人は必ずしもその通りには生きない。そこで、手を変え品を変え、天からメッセージが送られてくる。
それは、信頼できる人からのアドバイスであったり、占い師の鑑定だったり、ナット・キング・コールのように酔っぱらいからのリクエストということもあるでしょう。

数年前、鏡リュウジ先生を取材したことがあります。こんなお話をしてくださいました。
「神社で志望校合格をお願いしてきたと祖母に話したら叱られた。
『○○に合格させてください』ではダメで『私に最もふさわしい学校に合格させてください』とお願いしろと」

どの学校に入るのがベストなのか、その時点ではわかりません。
偏差値とか就職率といった物差しは一応あります。でも、能力を伸ばしてくれる先生、相性のいい配偶者や親友と出会えるかどうかは、実際に入学してみて、あるいは卒業後何年もたってからやっとわかるのです。

だから、天からのメッセージに敏感になること。そして、一度決めたら「これでよかったんだ」と腹をくくること。タイムマシンが発明されない限り、過去に戻ってやり直すことはできないのですから。


ライブの舞台で音楽を聴くことはあまりないのですが、フィンランドのセイナヨキでは、地元新聞の文化記者のアンネがプレス用のミュージカルのチケットを回してくれました。フィンランド語がわからなくても十分楽しめる内容で、セイナヨキ滞在がますます楽しいものとなりました。写真は、アンネが書いた記事。セイナヨキ出身の有名女性歌手の持ち歌をテーマにした舞台で、フィナーレでは出演者全員が女性歌手に扮して歌います。