父の四十九日法要のために神戸の実家に行くと、仏壇の前の大量の枯れた花が放置されていました。
母が亡くなった時は、兄の奥さんができた人で「遺骨を一人ぼっちにするのが忍びない」と四十九日まで自宅で供養してくれました。
父の時は、兄が実家にちょくちょく泊まると言っていたのに。男性だから枯れた花の処分まで気が回らなかったのか、それにしても49日間も放置するなんてあんまりだと思いました。風水では枯れた植物は大凶ですし。
私にとっては姪、父にとっては初孫である兄の長女が体調不良のため四十九日法要を欠席すると連絡がありました。もしかしてコロナ?と不安になったのですが、おめでたでした。姪は去年結婚し、コロナで披露宴をせず、姪のご主人とは父の葬儀で初めてお目にかかりました。スポーツマンタイプのきりっとした好青年で、これなら父も安心して旅立っただろうとうれしくなりました。
姪のご主人が長崎に転勤となり、兄夫婦は引越しの手伝いで上京し姪の体調不良でそのまま付き添うことになったと聞きました。
死者より生者の都合が優先されるべきだし、父にとっては何よりの供養でしょう。
枯れた花を片付け、お線香をあげました。
ウラナイ8の仲間、ユミコさんからいただいたラベンダーの香りのお線香です。香りが立ち昇り、ユミコさんも昨年、お父さんを亡くしたんだと思い出しました。
そして、ケネス田中先生の英語で学ぶ仏教講座で取り上げられた「キサー・ゴータミー」まで連想が広がりました。
最愛の息子を亡くしたキサー・ゴータミーは仏陀に子どもを生き返らせる薬を求めます。仏陀は「芥子の種をもらってくればいい」と言いますが、「今まで死者を出したことのない家からもらうこと」と条件を付けます。
町中を探し回り、死者を出したことがない家なんてないことを知り、キサー・ゴータミーは息子の死を受け入れることができました。
ユミコさん、そして同じくウラナイ8の仲間のともみんさんもお父さんを亡くしています。どう言っていいのかわからず、ちゃんとしたお悔みも言えませんでした。
介護生活が長かった母の死は受け入れられたけれど、先月まで元気だった父の死は衝撃的でなかなか受け入れられませんでした。でも、こういう思いをするのは私だけでなく、世間に無数にある話です。ラベンダーの香りをかぐたびにキサー・ゴータミーを思い出すでしょう。
富良野のファーム富田。ここのお土産店でもラベンダーのオイルを買いました。