翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

トーニャとマーゴット

わざわざ映画館で観るところまでいかないけれど、映画館で予告編を見て心惹かれたのが『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』。Netflixで観ることができました。

 

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かなり脚色された部分もあるそうですが、トーニャの育った家庭がすさまじい。貧乏な白人を意味する「レッド・ネック」「ホワイト・トラッシュ」という言葉がありますが、貧しさに加えて虐待母にスケートを強要されるという悲惨な状況。母親役のアリソン・ジャネイアカデミー賞助演女優賞を受けています。

虐待を受けて育った子供は、結婚後も同じような家庭を作りやすいと言われてますが、トーニャの夫もすぐ暴力をふるい、トーニャも負けずにやり返します。

ナンシー・ケリガンは1回殴られただけで世間に同情されるけれど、私は100万回殴られている!」というトーニャの台詞が哀しくておかしい。

 

トーニャを演じるマーゴット・ロビー、どこかで見たと思ったら『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、テレビドラマ『パンナム』にも出ていました。頭が空っぽのブロンド美女の役を振られることが多いのに嫌気がさして、自分で出資しこの映画のプロデューサーになっています。もともとアイスホッケーをやっていたことに加え、コーチについて1日4時間のスケート練習を週5回、4か月続けたというから、根性が入っています。

 

映画製作にあたってマーゴットがトーニャ本人にも会った時、「若くして有名になると転落しやすいのに、どうしてあなたはうまくいっているの?」と質問されたそうです。育った家庭は悲惨でも、トーニャは女子選手としては史上二人目のトリプルアクセルを成功させた才能あふれるスケーターで、道を誤らなければ、幸せな人生を歩むこともできたかも。

マーゴットは「周りの人に恵まれたから」みたいな返事をしていました。

典型的なアメリカのブロンド美女に見えるマーゴットですが出身はオーストラリア。祖父母が所有する牧場で育ち、シングルマザーの母親の家計を助けるために清掃員、サブウェイやサーフィンショップの店員などのアルバイトを掛け持ちしていたそうです。

家が裕福でアルバイトをしなくてすむ学生は、貴重な人生勉強の場を失っています。家庭教師は実入りがいいけれど、それ以外に店員やウエイトレス、肉体労働系のアルバイトは若いうちにぜひやっておくべきです。

 

ハリウッドでオーディションを受け続ける無名時代も大変だったけれど、名前が知られるようになったらなったでそれも大変です。批判を受けて傷つくことも多く、人生が奇妙なものになっていったとマーゴットは語っています。

自分の周りで正しい人たちを見つけて、業界内で自分の居場所、自分のチームを作っていったんだけど、すべてのことが固まる前は、本当に命綱がない感じだった。少し錨が外れている感じで、不安定だった。

 

占いでよく出る質問。

「生年月日が同じなら同じ運命になりますか?」

周りの人間が違うのだから、同じ日に生まれても運命は人それぞれ。そして成長すれば自分で付き合う人も選べます。トーニャ・ハーディングはスケートの才能があったのだから、夫やコーチを慎重に選んでアドバイスに真摯に耳を傾けていれば別の人生が開けていたはずです。

 

コロナ禍で外出自粛が続き、ほとんど人と会わない日を送っていますが、自由に出歩けるようになっても、付き合う人は選ぼうと改めて思いました。

 

 

シッダールタは待つことができる

外出自粛で読書とNetflixで過ごしています。

ヘッセの『シッダールタ』を再読。 

  

 

シッダールタは苦行を重ねて次の3つができるようになりました。

・考えること

・待つこと

・断食すること

 

思考や断食はむずかしいけれど、待つのは簡単だと最初は思いましたが、コロナ禍の日々を過ごすうち、この3つのうち待つのは最もむずかしいと感じるようになりました。「この1~2週間が重要局面」と言われてもう何週間が過ぎたのか。そしてあと何週間この状態が続くのか。

 

開運というと「トイレ掃除」「断捨離」「吉方取り」など何らかのアクションを起こして、その結果として幸運に恵まれるとイメージがあります。余計なことをせずにひたすら待つというのは、かなりの精神力が必要です。

 

運の悪い人は、待てません。時間がたてば状況が変わるのに、余計なことをして事態をますます悪化させます。相手の気持ちがまだ固まっていないのに、押せ押せでアプローチして距離を置かれたり、気が熟していないのに挑戦して失敗し、手痛いダメージを受けたり。

 

コロナウイルスに対して人間ができることには限りがあります。外出は最小限に控え、時が過ぎるのを待つしかありません。

せっかく時間ができたのですから、家の中でお金をかけずに楽しめることを探しましょう。kindleNetflixに加えて、Youtubeのズンバや筋トレの動画を利用しています。

 

そして、仏教伝道協会で昨年開催されたケネス田中先生のBuddhism through English(仏教を英語で学ぶ会)で学んだことは大きな糧になっています。

 

生きることには横軸と縦軸があり、私たちが意識しているのは横軸だけ。横軸は客観的状況(objective condition)で、日常生活。給料が上がった/下がった、恋人ができた/別れたとか、アップダウンがあります。縦軸は仏道であり、個人的なカルマ。主観的な個人の心であり、修行を積むことで上昇していきます。カルマは因果と訳され、「親の因果が子に報う」と言われますが、これは縦軸ではなく横軸です。

 

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状況は刻々と変わり、気持ちがジェットコースターのように乱高下しますが、こういう時こそ「待つ力」が試されます。

 

歴史がよみがえる天山遯(てんざんとん)の日々

「コロナ禍の日々をどう過ごすべきか」易を立てるべきですが、すでに卦はもたらされていました。天山遯(てんざんとん)です。

 

ウラナイ8のデイリーメッセージにも書きました。

uranai8.jp

 

1月末、アウシュビッツ解放75周年の記念式典で93歳の元収容者が「アウシュビッツは急に空から降って来ない」とスピーチしたと知った時、「コロナ禍も急に空から降って来ない」と思い至るべきでした。

最初は「ユダヤ人が外出していいのは何曜日だけ」「ユダヤ人はダビデの星を衣服に着けるように」といった差別でした。アメリカに逃れるのはごく一部のユダヤ人だけでしたが、最終的には冷静な分析ができる人や悲観主義者が生き残りました。

 

武漢のコロナ禍が日本の新聞に報じられるようになったのは1月半ば。専門家は感染が広がる可能性は低いとコメントし、大半の日本人は対岸の火事だと思っていたはずです。鳥インフルエンザSARSやMERSだって大騒ぎしたけれどたいしたことなかったし。

 

アウシュビッツの記念式典の記事を見て、易の天山遯が頭に浮かびました。占い学校でこの卦を学んだ時、ナチスの迫害から逃れたユダヤ人は天山遯の外卦である九四、九五、上九。上に行くほどうまく隠遁できます。

それなのに、のんきに南西の島旅を楽しみ、4月には台湾に行くつもりでした。2月末、元教え子の台湾人のメールに「先生、4月に台湾に来るのは無理かもしれません」とあっても、半信半疑でした。台湾人の危機意識は日本人と比べようもないほど高かったのです。JALは経営が苦しくなっているだろうに、キャンセル料なしで格安の早割チケットも全額払い戻ししてくれるので助かりました。

 

まだ感染者が出ていない県の友人は、3月末に上京する用事があったけれど、とても行けるような雰囲気ではなく、断念。彼女によると、その県では「東京は日本の武漢」。春休みになって帰省しようとする子供や孫を「絶対に帰って来るな!」と必死に止めているそうです。東京に行くのは中国の武漢へとても行ける状況じゃなかったと言います。

真偽のほどはわかりませんが、某県で新型コロナ感染第一号となった人が特定され、家の塀には「コロナ」と落書きされ、一家はいたたまれなくなって県外に脱出したとのこと。田舎の情報網はゲシュタポなみです。

ドイツのメルケル首相は1954年生まれですが、東独出身なので旅行や移動の自由を制限することに大きな抵抗があったようですし、安倍首相の「恐れるべきは恐れそれ自体である」はルーズベルト大統領の"The only thing we have to fear is fear itself"だから、次は日本版ニューディール政策を打ち出すのでしょうか。

 

開戦直後の日本人も、まさか原爆が落ちたり空襲で焼かれるとは想像せず、戦争はすぐ終わると楽観的に構えていたのでしょう。時代が違っても、人間の本質はあまり変わらないのなら、歴史を学ぶ意味は大いにあります。

 

『銃・病原菌・鉄』には、「白人はアメリカ先住民に天然痘の患者が使っていた毛布を送って殺した」とあります。病原菌の感染力の強さは歴史を大きく変えます。今回のコロナ禍が去っても私たちの世界は決して元には戻れないでしょう。

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山形の銀山温泉。 天山遯は山の温泉のイメージです。

海外旅行だけでなく、国内旅行もむずかしくなるとは。温泉地巡りが楽しめるのはいつになるでしょうか。

 

まぼろしの東京オタクハウス

つい数か月前には想像もしなかったような展開が続く世界。

 

昨年の3月まで外国人留学生に日本語を教えていました。

2016年の春から教壇に立ち、目標は東京オリンピックまで4年間続けることでした。

結局3年で力尽きましたが、現時点で続けていたとしても留学生たちが帰国して自宅待機となっていたことでしょう。昨年まで日本語学校業界は深刻な教師不足が続き、修了した日本語教師養成講座からしょっちゅう教師募集の案内メールが届いていたものですが、ぴたりと止まっています。

 

私が教えていた渋谷の日本語学校は欧米の富裕層の子弟が多かったのですが、新型コロナウイルスはアジア発ですから、今後、我が子を日本に留学させようという親はぐっと減ることでしょう。

 

昨年3月で日本語学校を辞めて、自宅の大規模リフォームをして1カ月間住所不定の生活を送っていた頃、占い師仲間の天海玉紀さんの声をかけられ、ウラナイ8というグループを立ち上げることになりました。

 

貸会議室での講座や鑑定会を中心に活動しているのですが、このご時世でリアルに人が集まるのはむずかしくなり、Zoomや動画配信に取り組んでいます。

玉紀さんが「店を借りなくてよかった」とつぶやいていたのをきっかけに、私のまぼろしの計画が脳裏によみがえってきました。

 

日本語を教えていた頃に気付いたのは、民泊の規制が厳しくなるにつれて、ホームステイに切り替える半分業者のようなホストファミリーが増えてきたこと。

謝礼は一泊2500円で朝食と夕食を出すのでほとんど利益は出ないのですが、数人をまとめてホストすると話は変わってきます。6畳あれば2人OKなので、4人あるいは6人とまとめてホストする家があるのです。4人なら1日1万円、月で30万円になります。予約受付や集金は学校がすべてやってくれますし、旅行者と違い身元は確かです。学生に聞くと朝食はパンとコーヒー、夕食はカレー、うどん、餃子、焼きそばのローテーション。東京は外食が安いので、ステイ先で夕食を食べない学生もいます。

 

子供が独立して6畳の子供部屋が二つ空いており、家事が苦にならない主婦のいる家庭だったら、けっこういい商売です。複数の学生がいればSuicaの買い方や学校への行き方も先輩が教えてくれるので手間もかかりません。

 

何を血迷ったのか、これを私もやってみようかと考えていたのです。

近所の古い一軒家を借りて、ホットクックで自動調理。朝はパンとコーヒー、ヨーグルトでいいとして、皿洗いは食洗器、掃除はルンバ。

しかし、ネットで近所の不動産の相場を調べると収益を出すのはかなり厳しそう。都心から離れた郊外なら可能かもしれませんが、そこまで通うのは大変だし、日々起こるだろうトラブルの対処などを考えると、とても割に合いません。

 

そもそも東洋占術で見ると私には不動産運がまったくないのだから、自宅以外の住居を買ったり借りたりするのはかなり危険です。

自宅の仕事部屋を空けて、留学生一人をホストするのがちょうどいいのでしょう。収益は出なくても、留学生とじっくり向き合えますし、フィンランド人のヘンリク君のように一生続く友情に発展することもありますから。

 

もし勢いに任せて物件を借りていたら、敷金と礼金に加えて家具や寝具、調理器具、食器などかなりの初期費用がかかっていたでしょう。コロナ禍によって入居者ゼロになれば大赤字です。

 

ウラナイ8が発足したことで、手持無沙汰な感覚はなくなり、無謀な計画に手を出さずに済みました。

これは私が単にラッキーだっただけで、東京オリンピックを見込んで外国人向け民泊や飲食業を立ち上げた人たちはどうしのいでいるのでしょうか。

そういう人たちを自己責任だと責められるでしょうか。こんな事態、誰も予測できなかったのですから。

 

国からの補償がどういうものになるのか、混迷の日々が続きます。私が来月の家賃支払いに困窮せずに済んだのは、単に運がよかっただけですから、不運な人を自己責任と切り捨てる社会であってほしくないと思います。

 

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 スペインではドラゴンボールが大人気。亀仙人のTシャツを着ている人を何度も目にしました。声をかけて、私が日本人だと知ると、とてもうれしそうに言葉を返してくれたものです。

スペインは大航海国家だった名残か、アジア人への差別をほとんど感じることはありませんでしたが、新型コロナウイルスがアジア発ということで、日本人への視線も厳しくなっているのでしょうか。

活字の旅を楽しむ

世界地図を広げて「次はどこへ行こうか」と空想。お金と時間が許せば行きたいところに行ける。当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなくなりました。

 

そこで旅の本を読むことにしました。

エリザベス・ギルバートの『食べて、祈って、恋をして』。最初は日本語で読み、原書に挑戦。109の章で構成されているので、少しずつ読み進められます。

  

Eat, Pray, Love: One Woman's Search for Everything

Eat, Pray, Love: One Woman's Search for Everything

  • 作者:Elizabeth Gilbert
  • 出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing PLC
  • 発売日: 2007/01/30
  • メディア: ペーパーバック
 

 

4か月ずつ3か国、1年間を旅先で過ごすといううらやましすぎる計画。イタリアでは食を通じて人生を楽しみ、インドではアシュラムの瞑想で神とつながり、インドネシアでは肉体と精神のバランスを取るレッスン。

自分探しの若者ならいざしらず、合計1年間の旅はかなり贅沢です。それでも、泥沼の離婚裁判でうつ病になり14キロも体重を落とし、立ち直るためには旅に出るしかなかったのです。

元夫は現金と自宅に加えて結婚中に彼女が書いた本の印税の一部や映画化されるときの映画化権の一部、個人退職金積み立て口座の一部も要求してきたそうです。男女平等とはこういうことかと思いました。

 

もし私がエリザベスのような旅ができるなら、どの国を選ぶか。

生きる喜びを味わうなら、スペイン。去年の秋の旅でこの国が大好きになりました。バルの食事はおいしいし、ビールが充実しているのもうれしい発見でした。

精神性の追求ならタイへ。外国人を受け入れるビッパサナー瞑想の施設があります。

そして肉体と精神のバランスを取るならフィンランドへ。知人もいるし、毎日サウナに入れる!

 

現実にはスペインのコロナウイルス感染者は中国を上回りました。カフェやバルで常連のお年寄りは、ハグとキスで迎えられていました。なんて高齢者に優しい国なんだと感心しましたが、あれで感染が広まったのでしょう。

タイは非常事態宣言が出たし、フィンランドは国境を封鎖しています。

 

食べて、祈って、恋をして』で最も読みごたえがあるのは、インド滞在記です。

当初、エリザベスはインド滞在の4か月のうちアシュラムに6週間滞在し、残りのは各地を旅する計画を立てていました。

 

There's so much to see and experience here. I've got a lot of mileage to cover, temples to explore, elephants and camels to ride. And I'd be devastated to miss the Ganges, the great Rajasthani desert, the nutty Mumbai movie houses, the Himalayas, the old tea plantations, the Calcutta rickshaws racing against each other like the chariot scene from Ben-Hur. And I was even planning on meeting the Dalai Lama.

見るべきもの、経験すべきものが山ほどある。行くべき旅路は長く、寺院を探索し、象やラクダにも乗る。ガンジス川、ラジャスタン砂漠、ムンバイの映画街、ヒマラヤ山脈、昔ながらの茶畑、『ベン・ハー』のシーンみたいなカルカッタの人力車レースも見逃したくない。ダライ・ラマに会う計画まで立てていた。

 しかし、エリザベスは4か月間、アシュラムで過ごすことに決めました。

 

On the other hand, the Zen masters always say that you cannot see your reflection in running water, only in still water. So something was telling me it would be spiritually negligent to run off now, when so much was happening right here in this small, cloistered place where every minute of the day is organized to facilitate self-exploration and devotional practice. Did I really need to get on a bunch of trains and pick up intestinal parasites and hang around backpackers right now?

 

一方、禅の導師は「流れる水に自分の姿は映せない、映せるのは静かな水だけ」といつも言っている。一日のすべての時間を自己探求と献身的な修行に捧げる小さな修道院のような場所でたくさんのことが起こってのに、ここを去るのは精神の怠慢だと何かが私に告げていた。今さら電車に乗りまくって腸内バクテリアを広い、バックパッカーたちと動き回る必要があるのだろうか。

 

不要不急の外出自粛が求められている東京だって、意識の持ちようでインドの田舎の小さな村のアシュラムのように過ごせます。

エリザベスはアシュラムで瞑想ばかりしていたのではなく、割り当てられた仕事もしていました。寺院の床磨きです。

 

I'm aware of the metaphor--the scrubbing clean of the temple that is my heart, the polishing of my soul, the everyday mundane effort that must be applied to spiritual practice in order to purify the self, etc,etc.

寺院の床磨きは、私の心、魂を磨くことに通じる。日常の平凡な仕事を心をこめてやることは自分を浄化する精神の修行につながっていると気づいた。

 

床磨きなら、家でいくらでもできます。新規の仕事が入らず時間があるのだから、読書とNetflixに加えて、精神を浄化するつもりで掃除に精を出せばいいのです。

 

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マドリッドの街角の古書店

また海外に行けるようになったら、旅ができるありがたさをしみじみと感じることでしょう。