翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

風邪の効用

お正月早々、熱を出して寝込みました。

体は丈夫なほうなので、寝込むほどの病気はめったにしません。
だから風邪をひいても、あまり暗い気持ちにならず、体にとって必要なことだと捉えて淡々とやり過ごします。

野口整体では、風邪をひくのは、自分の体を調整できる力があるからで、発熱することで体に蓄積した不調を修正する働きがあると考えます。「風邪を上手にひいた後は、蛇が脱皮をしたようにさっぱりする」とありますが、まさに巳年のお正月にぴったりです。

この考え方を知る前の子ども時代から、私は風邪を自力で治そうとして病院に行くのは強く拒否してきました。
母は「注射がこわいのだろう、困ったものだ」とあきれていましたが、子ども心に「今、体が大切な時期にあるから余計な処置をしたくないのに」と漠然と思っていました。
栄養を摂らなければいけないと、ひっきりなしに食べたいものを聞かれるのにも閉口しました。体の全機能は風邪を治すことに集中させたいので、消化に回す力はないと感じていたのです。

大人になって自分のやり方で風邪を治せるようになりました。
もちろん、病院には行きません。
薬も最小限しか飲みません。
テレビCMでは「効いたよね、早めの○○○○」など、風邪薬はひき始めに飲むように広告されていますが、私は熱を出し切ってから飲むようにしています。熱は風邪のウイルスと戦うための自然な防御反応なので、早めに風邪薬を飲むと、防御力が落ちて風邪をこじらせて長引くような気がするのですが、どうでしょうか。
私の平熱は低く35度台。36度台後半で微熱です。風邪薬を飲む目安は、38度を越えて下がり始めてからです。

雑誌の仕事でメディカル記事を書くことも多かったのですが、内科医の先生も同じことをおっしゃっていました。
あまり苦しくないのなら、安易に熱さましや咳止めを服用しないほうがいいそうです。
しかし、わざわざ病院まで来た患者にただ安静にしていればいいとも言えず、それなりの薬を処方するそうですが…。

イメージとしては、手負いの野生動物が巣に丸まって自然回復を待っている姿。
摂るとしたら水分ぐらいです。もちろん、節々の痛みなど、苦しいことは苦しいのですが、時間が経てば収まると思えばなんとか耐えられます。私の場合は一晩も経てば峠を越します。

お正月なので、のんびり養生できるはずだったのですが、今年は食事会のお誘いを受けていました。
無理して出かけると人に感染させる恐れもあるし、恐縮しながら幹事の方にキャンセルの連絡をしました。

もともと頑健な私は、病弱な人への同情心が薄く、体調不良で予定をキャンセルされると、「軟弱な」「精神力が足りない」とちらっと感じてしまいがちなのですが、自分だってこうやって迷惑をかけることがあるのだと謙虚になれます。

そして、今は健康でも、年を重ねるにつれてあれやこれや体の不調が出てくるでしょう。
そうした弱い自分を否定せず、受け入れるためにも、時々病気になるのは老後の予行演習になると思いました。