翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

宝くじに当たっても平穏に暮らすには

開運術なら、「宝くじに当たる法」がすんなり来るのですが、宝くじに当たるとかえって不幸になるケースをさんざん見聞きしてきました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20160908/1473298275

先日、友人からこんな話を聞きました。
親類から思わぬ遺産が入ってきた。といっても大金ではなく、数十万円ほど。おいしいものをよくご馳走してくれていた人なので、一番喜ぶ使い方は、食事に使うこと。というわけで、高級寿司店やお取り寄せを楽しんでいるそうです。

とてもいい使い方だと思いました。おいしいものを食べるたびに、故人を思い出して感謝しているのでしょう。

それで思い出したのがこのお話。映画化もされています。

バベットの晩餐会 (ちくま文庫)

バベットの晩餐会 (ちくま文庫)

ノルウェーの寒村に住む敬虔な姉妹。厳格な牧師だった亡き父の教えを守って暮らしています。そこへバベットという名のフランス人女性がやって来て、女中として姉妹のつましい暮らしを支えます。バベットは宝くじで1万フランを当てます。姉妹は大金を得たバベットが自分たちのもとを離れると思ったのですが、バベットは姉妹の父親の生誕百年祭の祝宴に1万フランすべてをつぎ込んで芸術的な料理を作ります。

姉妹は祝宴の後にバベットが1万フランを使い切ったことに腰を抜かします。実はバベットは天才的料理人で、パリのレストランでは12人分で1万フランのディナーを作っていたのです。

「この先、貧乏になってしまうのに」と心配する姉妹バベットはにっこり笑ってこう語ります。

「いいえ、わたしは貧乏になることなどないのです、お話ししましたように、わたしはすぐれた芸術家なのです。すぐれた芸術家が貧しくなることなどないのです」

「お金は邪魔にならないからいくら手にしてもいい」という人もいますが、器以上のお金は邪魔になります。散財ではない使い方を知っている人は、決して貧しくなることはありません。


横須賀美術館内のレストラン、アクアマーレのスズキとアサリのスープ仕立て。たまにこういう料理をいただくと、魂の糧となります。