翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

不妊治療取材から学んだこと

先月、久々にメディカル原稿を書きました。テーマは「妊活」です。

十数年前、女性誌でメディカル記事を重点的に書いていた時期があったのです。そのことを知る編集者からの依頼です。

メディカル情報は今ならネットで簡単に調べられますが、当時は「気になっている症状があるけれど、書籍を買って調べるほどでもない」というニーズがあったのです。

不妊は重たいテーマで範囲も広いので、いつも数ページの特集となります。
顕微授精やら卵子凍結、男女産み分けの権威という医師の取材に加え、不妊治療体験者の取材もしたものです。
反響がかなり大きく、第二弾、三弾と書き進めたのですが、私自身は部外者として淡々と書いていました。少子化が深刻な問題となっている日本では大きな声で言えませんが、私は子供を持つことにまったく興味がなかったのです。

その後、占いや開運記事の注文が多くなってきたので、メディカル記事は書かなくなりましたが、得られたものはとても大きかったと思っています。
医療関係者からは怒られそうですが、医者も占い師も患者(お客)の悩みを解決するという点では同じですから、原稿の流れに共通点が多いのです。

不妊治療は「妊活」という言葉に置き換えられ、少なからぬ数のカップルが悩んでいるらしく、一冊まるごと妊活という書籍やムックも作られるようになりました。

十数年のブランクがあるので、少し不安だったのですが、生殖医療は一気に革新が起こるジャンルではありません。
世界初の体外受精児が生まれたのは1978年のイギリス。日本では1983年から体外受精が可能になっています。
変わったことといえば、体外受精や顕微治療で助成金がもらえるようになったこと。そして、日本で認められていない卵子提供や代理母を希望する場合、十数年前はアメリカに行くしかありませんでしたが、今は韓国や台湾といった選択肢もあります。

かつて取材や記事監修でお世話になった産婦人科の先生に再びお邪魔してインタビュー。

いくら最新の不妊治療を受けても、原因が特定されず、妊娠に至らないというケースはたくさんあります。人間の体はデリケートで、生殖にはメンタルの影響が大きいのです。

「受精機能をアップするには脳がリラックスする必要がある」と先生。
不妊治療の第一歩は基礎体温を測ることとされていますが、これがストレスになるようなら、測る必要はないとのこと。
患者さんの取材で、「体温を測って、今月も妊娠していなかったとわかると、失望のあまり体温計を壁に投げつけたくなる」と話してくれた人もいました。

不妊治療を重ねて体外受精しかないと診断されたのにもかかわらず、自然に妊娠し、医学的にも説明できないケースなどもあるそうです。
これは、体外受精をやると決心した途端に気が楽になって、卵巣の働きがよくなったからです。
男性側も同じで、奥さんから「絶対に今日が妊娠するタイミングだから」とまなじりを決して迫られると困ってしまうでしょう。

妊娠・出産は人生の一大事ですが、あまりにも力を入れ過ぎてそれしか見えないという状態になってしまってはいけません。

夢をかなえる法や引き寄せの法則でも似たようなことが説かれています。

たとえば、アラン・コーエン。

心からの願いを宇宙に伝えたら、後はすべてをゆだねて待っていればいいのです。

待つといっても、「今日はだめだった? 明日は?」みたいなせっかちな待ち方ではだめです。
願ったことを忘れるぐらい楽しいことがほかにあるのが理想的です。

そして、条件を限定しすぎるのもよくありません。
たとえば、パートナーが欲しいという願いで「誰もが羨むようなハンサムな男性がいい」「年収1000万円以上」といった限定した条件付きではなく、ただ「自分に合ったパートナーに巡り合いたい」と願えばいいのです。

そして、タデウス・ゴラスもこう言っています。

自分の目指す通りになれば素敵だが、そうならないのも、それはそれでまたよいものだ、という態度さえ持ち続けていられれば、あなたの人生は大丈夫です。


小海町のフィンランド夏至祭の前に立ち寄った清里・清泉寮。あいにくのお天気で降ったり止んだり。建物の中から外に出る時、「まだ降っているかな?」と考えがちですが、誰も天気は変えられないのですから、晴れだろうが雨だろうが、その瞬間を楽しめばいいのです。