翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

「坤に致役(ちえき)す」 西南で仕事を受注する

九星気学では、八方位に中央を加えた9つの場所を一白水星から九紫火星までの9つの星がぐるぐる回ります。

今年の6月(午の月)は年盤、月盤ともに四緑木星中宮です(東洋占術での月の切り替わりはカレンダーと少しずれていて、午の月は6月6日から7月6日まで)。

年月同盤をどう解釈するかは流派によって違いがあり、「東洋占術では重なりを嫌う」という先生もいます。
一方の「年と月の吉方位が重なるから効果が倍増」という説を信じ、西南に2泊3日で吉方取りに行ってきました。

東京から西南の方位には、箱根や伊豆など温泉が多く、吉方取りには最適。吉方取りは「お水取り」とも呼ばれますが、現地の「気」を体内に入れるには、水を飲んだり温泉に入ればいいのです。
というわけで、熱海と伊東に1泊ずつ2泊3日という旅程にしました。

方位にはそれぞれ意味があります。東南は結婚や商売、南は名誉、東北は相続など。出典は『易経』の説卦伝です。
たとえば、東すなわち震(しん)が新規スタートの方位なのは、「帝は震に出(い)ず」とあるから。天帝、造物主は東の方位で万物を生み出すのです。
そして方位は、季節や時刻とリンクします。震は季節なら春、時刻なら明け方。まさに万物がスタートするタイミングです。

以前、「アファーメーションとしての吉方取り」というエントリーを書きました。
d.hatena.ne.jp

吉方取りをするなら、方位の意味をしっかり意識しておくこと。
偶然、吉方に行っても効果があると言われていますが、やはり「こういう幸運がある」と意識したほうが引き寄せ力は上がります。

肯定的な断言をすることを、アファーメーションといいます。
「こうしたい」ではなく「こうなっている」と断言することで、潜在意識にインプットされ実現する可能性が高くなります。
断言するだけでそんな効果があるのなら、「吉方に行く」という行動が伴えば、さらに効果は高まるはずです。

温泉好きなので、方位に関係なく行くこともあるのですが、吉方取りなら何を実現させたいかしっかり意識して行きます。
今回の西南すなわち坤(こん)の持つ開運効果は仕事運全般と、かなり汎用性が高いのです。
説卦伝には「坤に致役(ちえき)す」とあります。
致役とは、役割を命じること。季節は夏の終わり、時刻は午後。せっせと働く時期です。

一般に西南は「雇われ運」でサラリーマンやOL向け、西北は「事業運」で経営者向けと言われますが、フリーランスの私は、編集者から「致役」されなければ、たちまち失業者。雇用されている人以上に西南はとても大切な方位なのです。

初日の宿に到着し、温泉に行こうと部屋で浴衣に着替えたタイミングで電話がかかってきました。
1年以上ご無沙汰していた編集者からで、新規の仕事依頼。かなりボリュームのある仕事です。
こんなにスピーディに吉方位の効果が出るとは! 仕事に困ったら、また西南に来ようと誓ったのでした。


熱海の宿から見た海。
関西人の私は新幹線で何度も熱海を通ったものの、宿泊は初めてです。
小津の『東京物語』で熱海が出てくるので一度泊まってみたかったのですが、やはり団体向けの観光地で個人で行くとあまり楽しめません。所在なげに海を眺めていた笠智衆東山千栄子の気分を味わいました。


二日目の伊東での夕食。
旅館の夕食は量が多すぎるので、今回は朝食だけのプランにしました。熱海ではあまり食べるところがなくて困ったのですが、伊東の街はどこで食べるか迷うほどお店が充実していました。