「占い師は将来に何が起こるかちゃんとわかっているから、悪運を避けて開運できるはずだ」と思っている人は多いはず。
ところが、現実にはそうではなく、悩んでいる占い師、お金に苦労している占い師も山のようにいます。
いくら占い理論を知っていても、人それぞれ「運の器」を持っていて、器以上の幸運は手にできません。
「宝くじで高額当せんしたが、結局、破産してしまった」というケースは、器以上の大金を一気に手に入れたために起こった悲劇でしょう。
私が本格的に占いを学び始めたのは、占い学校の四柱推命の講座です。
四柱推命は東洋占術の帝王とも呼ばれる的中率の高い占いです。講座では、有名人の命式を取り上げ、切れ味鋭い読みが展開し、そのおもしろさに夢中になったものです。
しかし、現実の鑑定では、すべて当たるかといえば、決してそうではありません。
そもそも、運は、人間同士の相互作用によって生じます。
自分の命式(誕生日による五行の配置)に巡りくる1大運(10年)、流年(1年)、流月(1月)。これは、はっきりと五行の作用がわかります。
しかし、どんな五行を持つ人と出会うかは、占いでは予測がつきません。
「この人は、あなたにとって必要な五行を持っているから」といくら占い師に勧められても、気が合わなければ、おつきあいしたくないでしょうし、わざわざ運を下げる五行の人と腐れ縁を続ける人もいます。
そして、ある時点で「運がいい、悪い」があっても、それは固定的なものではありません。
年月が流れると、五行の勢いは変わります。
だから、配偶者にしても、結婚当初は自分の運を大きく上げてくれるラッキーパーソンだったのに、何十年も一緒に暮らすうちに、運を吸い取られるなんてこともあるのです。
だからといって離婚して別の相手と再婚するのはかなりのエネルギーを使いますし、占い的に運が上がっても、社会的信用を落としかねません。
つまり、完全に持続する開運法というのは現実には存在しないわけです。
しかし、占いの知識があれば、メリットが失われたことを知り、対処法を探ることはできます。
木火土金水の五行はぐるぐると回り続けるのですから、人生のある時期に不運をもたらした五行の一つが、その後に幸運をもたらします。
私が心がけているのは、結果オーライならそれでよしとすること。
手痛い失恋をして、心の痛みを忘れるために仕事や趣味に打ち込んだら、そこで新しい出会いがあった。
あるいは、こんなケース。
ある人にムカついて、負けるものかと意地で頑張ったら、とてもいい結果が出た。
最終的な着地点が幸運であるなら、あなたを振った人、ムカつかせた人、出会うべくして出会ったのです。
「すべての問題は、その手にギフトを持って現れる」
There is no such thing as a problem without a gift for you in its hands.
リチャード・バックの名言です。
せっかくのギフトがあるのに、それに気づかずリボンをほどかないまま放置しているのはもったいないことです。
秋のフィンランドの森には、キノコやベリー類など自然からのギフトがどっさりあります。