大学時代の恩師、田中国夫先生が亡くなり、偲ぶ会が開かれました。
関西なので、都合がつかず欠席しましたが、出席した同窓生が報告と写真をメールで送ってくれました。
東京在住の同期生と開く今年の忘年会は、しんみりした会となることでしょう。
社会心理学の田中ゼミは、学部内でも奇異な目で見られていたと思います。
学生紛争が吹き荒れた時代に、ゼミ生が立ち上がり社会心理学研究館を建てました。
「学生さんといえば建物を壊すものなのに、こりゃまた珍しい」と、協力してくれた大工さんに笑われたというエピソードを聞いたものです。
以来、田中ゼミ生は、ゼミ以外の時間にも研究館に入りびたっていました。やるべきことも山のようにあったのです。
ゼミで発表する班の順番が回ってくれば、レジュメを作り発表の練習。統計学などの実習は課題も山のように出て、班単位で提出します。研究館で顔を付き合わせているだけでは時間が足りず、班のメンバーの自宅に泊り込んで課題に取り組んだこともしばしばあります。
楽勝と言われた文系学部の中では、変わり者の集まりだったと思います。
卒業してから随分長い時間が経過し、田中先生は退官され、社会心理学研究館も取り壊されました。
でも、ゼミの仲間と再会すると、瞬く間に学生時代に戻ります。年は取ったけれど、本質は変わっていないと私は思うのですが、会社という組織の中で苦労を重ねたり、子育てを頑張った同級生は同じ意見ではないかもしれません。
少なくとも私に関しては、占いの勉強を続け、原稿執筆や鑑定という形でアプトプットする毎日は、学生時代の延長のようなものです。
多士済々を輩出した田中ゼミですが、占い師になったのは私ぐらいではないでしょうか。
不肖の教え子に天国で田中先生は苦笑されているでしょうが、田中ゼミで学んだことは、私の占いにも息づいています。