翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

思うようにいかない時こそ、運をつかむチャンス

占いをあれこれ学んだのは、女性誌の原稿料を稼ぐため。でも、それ以上に「開運したい」という思いがありました。

だから、占い学校に入って最もがっかりしたのは、占いをずっと学んでいるのにちっとも開運していない人たちを目の当たりにしたことです。

まあ、こんなことを書く私も、子どもを持たない人生を選びましたから、伝統的な東洋占術の開運の基準の一つである「一族繁栄」からすると運の悪い人間ですが。

 

それはさておき、世の中には占いなんてまったく興味がなくても、みごとに開運している人もたくさんいます。

 

数日前にネットでバズっていた「日本人がNASAで働くには」。

 

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日本人でNASAの研究所で働けるなんて、ずば抜けて優秀な方です。

しかし、いくら優秀でも運が味方しなかれば夢はかなわなかったでしょう。

 

日本国内で開かれる宇宙関係の学会に、NASA関係者がやって来るという情報を得て、学会に参加。単なる参加者ではなく、発表もします。

そして、思い切って「来月、学会でアメリカに行くので見学させてもらえませんか」と声をかけます。

「今は忙しいからちょっと無理」と断られ、異国の地で見ず知らずの人間に対する当然の反応だと納得しつつも、長年の夢が絶たれたように感じ大きなショックを受けます。

 

それでも解散前の最後の日に、もう一度「このまま帰国しますか」と声をかけます。

そして、「夜まで東京観光する」ということで案内することに。

この方のすばらしいところは、「自分からは見学を申し込んだのに、いま日本に来ているゲストをもてなさないのはフェアじゃない」という考え方。そして、東京案内中は一切、欲を出さず見学希望の話を出さなかったこと。

 

「欲しいものは欲しいと言わなければ手に入らない」というのも一面の真理ですが、露骨に見返りを求めると運を逃がします。この方の場合は、一度「欲しい」と言って、あとはあえて口にしていません。

bob0524.hatenablog.com

 

 そして数日後、NASAからお礼のメールが届きます。

「ホスピタリティに感動した。見学に来たければアレンジするから教えてくれ」

 

少しでも損をしたくない、得られるものはすべて欲しい、そんな貪欲な人間が得られるものは少ない。思うようにいかない時こそ、無心になり目の前のことに淡々と誠意をもって取り組むこと。

 

占いの理論書を隅々まで読むのもいいですが、ネットにあふれるさまざまな体験談にも貴重な開運のヒントが埋まっています。

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もう閉園してしまいましたが、北九州のスペースワールドは宇宙への夢を広げる絶好の場所でした。

 

それなりの器がなければ陰徳を積めない

女性誌の原稿を書くのを本業としているうちに、占いの原稿の依頼が多くなってきたので、占い学校に通うことにしました。

 

西洋占星術なら独学でなんとかなりそうでしたが、東洋占術は陰陽五行の基礎から学ぶ必要がありそうだったので。ちょうど取材していた有名占い師が講師を務めている学校があり、熱心な学生が多いと聞き、すぐに申し込みました。3か月ごとに入学できるシステムでした。

 

不幸な占い師、貧乏な占い師が多いことからも、占いの理論さえわかれば開運するわけではありません。

授業では四柱推命や易、九星気学、風水のロジックを学びましたが、興味深かったのは占いにまつわるよもやま話。

「香港や台湾の大富豪が巨額な寄付をするのは、財が壊れる年が巡ってきた時。あらかじめお金を減らしておけば、それ以上損をしないですむから」

「しかし、本当に効果があるのは陰徳。運を上げたかったら、誰にも知られないように匿名で寄付することだ」

 

秦の始皇帝の父ともいわれる呂不韋の生涯を描いた『奇貨居くべし』に占いと陰徳の話が出てきます。

 

 

奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)

奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)

 

 

若い頃、人相観の唐挙に「豪商になる」と予言され、やることなすことすべてうまくいき、巨財を成した商人の西氏。

再び唐挙に観てもらったところ、家運が傾くと予言されます。それを防ぐためには、唐挙が家に滞在していることを公言し、親戚、知人はもとより赤の他人の鑑定料もすべて商人が払うよういに言われます。

王侯貴族の鑑定もする唐挙ですから、見料はかなり高額。100人来たらいくら払わなければならないのか…。かなりの損になるけれど、沈没するよりはましだと考え、西氏は承知します。

すると唐挙は「見料は西氏が出したことを吹聴してはいけない」と付け加えます。

大金を出した上にその理由も人に言えないとは、なんとも苦しいことだけど、西氏は受け入れます。

そのやり取りを見ていた若き呂不韋は「陰徳こそ福を招く」と気づきます。

だまっておこなう善行こそ、利を超えた利になる。それを唐挙は西氏におしえているのであろう。西家はいま栄えに栄えており、ここでの損はすぐにとりかえせる。が、家運がかたむいてからの損は致命傷になる。

 

「やらない善よりやる偽善」という言葉がありますが、売名行為と思われても、華々しくチャリティー活動をしたり巨額のお金を寄付するのは、しないよりましでしょう。

 

陰徳が積めるのは、それだけの器を持った人だけだと思います。

ささやかでも陰徳が積めないものか…。こう書いてしまうことこそ、陰徳を積む器でない者である証です。

 

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この世は決して公平じゃない

私が教えている日本語学校はけっこう学費が高いようで、学生たちは裕福な家庭の子弟が大半です。

「大学に入学する前のギャップイヤーで見聞を広めるために日本にやって来た。本当は秋葉原に入り浸っていたいけれど、親がせっかくなら日本語を勉強しろというので学校に来ている」というタイプ。留学ビザではなく観光ビザでの入国なので、日本でアルバイトすることはできませんし、する必要もありません。

観光ビザでは日本に3か月しか滞在できないので、長期生は学校主催の韓国ツアーに参加し、再度入国して滞在を延長します。

 

去年から外国人労働者の受け入れ拡大がさかんに議論され、技能研修生の名のもとに奴隷のように働かされる外国の若者の姿が報道されました。外国人として来日するのは同じでも、生まれた国、家庭によってこんなに差があるなんて、世の中はなんと不公平なんだろうと思いました。

 

しかし、お気楽なはずの裕福な学生たちも、日本でさまざまな運命が待ち受けています。

  

学生たちが滞在するのは、寮とホームステイが半々。

ホームステイは当たり外れがあり、留学生との文化交流を望む親切なホストファミリーの当たれば、着物を着せてもらったり、週末は家族と温泉旅行へ。

 

その一方で、数人ぐらいまとめて引き受けてして、ほとんど交流しないというホストファミリーも。入学時期がばらばらなので、先に来ている留学生が新入生にあれこれ教えてあげて何とか回っているようです。

ホストファミリーの謝礼は一人一泊2500円。一人だけホストするなら効率が悪いのですが、4人なら1日1万円。民泊の規制がきびしくなったのでホームステイに切り替えたというケースもあるそうです。

カレー、焼きそば、お好み焼き、うどん、チャーハンといったお手軽料理をローテーションで回せば、利益が出るかも。学生たちは外で食べてくることも多いし。

教室で教えるよりも、広い家を借りて学生をホストするほうが楽しいかとも思ったのですが、それはそれで気苦労があるだろうし、家事がきらいな私には無理でしょう。

 

食事の内容もそれぞれで、ある女子学生(カナダ人)は「食事の量が少なくて、空腹で夜、眠れない」と言います。「おかわりをもらったらいいじゃないの」とアドバイスしたのですが、「最初から盛り付けられていて、それで終わりなんです」とのこと。

カナダやアメリカの家庭での食事は、大皿で出して各自が食べる分だけ取り分けることが多いから、好きなだけ食べられますが、一人ずつの盛り付けでは人によって多かったり足りなかったりすることもあるでしょう。

小柄でやせている女子ですが、ボルダリングが趣味でスポーツ万能。エネルギーレベルが高くカロリーがたくさん必要なんでしょう。あまりにもかわいそうで、一度、焼き肉食べ放題のレストランに連れて行ってご馳走しました。

 

アコモデーション担当部門がどうやって学生をホストファミリーに割り振っているのか謎ですが、この世は決して公平じゃないということをつくづくと思い知らされます。

 

「スーパーのレジでずっと並んでいるのに、前の人が支払いに手間取り、私よりあとから並んでいる人が隣のレジでさっさと会計を済ませてしまった」というささいなことから始まり、「女というだけで医学部に不合格になり、私より成績の悪い男子が合格していた」など、程度の差はあれど、日々、不公平なことはどこでも起こっています。

 

差別を生み出すシステムには反対しなくてはいけませんが、すべてを平等にするなんてとても無理。不公平に扱われたからといっても許容できる範囲なら、不機嫌にならず「こういうこともある」と笑い飛ばしたいものです。

ホストファミリー運が悪い学生たちも、友達と学校帰りにオタクスポットをめぐり、それなりに日本滞在を楽しんで帰国していきます。

 

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NHKの紅白歌合戦にAKB48の姉妹グループ、BNK48が出場していましたが、バンコクでの日本人気も盛り上がっているようです。ショッピングセンターの一画に日本ゾーンが出現し、唐突な漢字のディスプレイが並んでいました。 

始めるためには、まず小さく分解する

世間の人はお正月に決意を新たにして、前向きな日々を送っているのでしょうか。

人間は年が変わったからといって、劇的に変わるものではありません。

過去がグズなら今もグズ、未来の自分もグズでしょう。

50代も半ばを過ぎて、衰えを感じることが多くなり、未来の自分が勤勉になる可能性はさらに低くなり、もっとグズになることでしょう。

 

それでも、やり方を変えることで、少しでもましになるかもしれません。そう期待してライフハック系の記事をよく読みます。

 

あれもこれもやりたい(あるいは、やらなくていけない)のに、やる気がでなくて始められない。そんな時は、とにかく始めてしまうこと。脳が作業興奮状態になってやる気が湧いてくる。「作業興奮」は心理学者のクレペリン命名だそうですが、マーク・トゥエインもこう言っています。

 

The secret of getting ahead is getting sarted.

成功する秘訣は、始めること。

 

いや、しかし、やる気のない時は、どうしても始められません。最初の一歩が踏み出せず、だらだらネットを眺めたり、ぼーっと過ごしたり。

 

私はアルコールで酩酊状態になると「面倒だ」という気持ちが消えるので、がんがん働けます。この方法で掃除や料理の下ごしらえを済ませたこともよくあります。

これはかなり危険。高い棚に物を入れようと回転椅子の上に乗ってバランスを崩して転落し腰を強打したという失敗もありますし、仕事ははかどってもアルコール依存症への道をまっしぐらです。この方法は封印しています。

 

ではどうするのか。

マーク・トゥエインは解決法も授けてくれます。

 

The secret of getting started is breaking your complex overwhelming tasks into small manageable tasks, and then starting on the first one.

始めるための秘訣は、複雑で圧倒されるようなタスクを扱いやすい小さなタスクに分解して、最初の一つを始めることだ。

 

 

今年の春、リフォームをします。

新築で入居して20年のマンション。ここ数年ほど「そろそろリフォームをしなくては」と思いつつ、面倒なことが多そうでずっと先延ばししてきました。

 

ようやく重い腰を上げたのは、荒唐無稽な夢を見たから。


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しかし、間取り変更のリフォームとなるとやるべきことが多すぎます。

まず、業者はネットで検索して自宅から歩いて行ける独立系のリフォーム会社に決めました。ホームページがしっかりしていたし、施工例もたくさん出ていたからです。

ネットには「相見積もりを取って納得できる業者を選べ」というアドバイスもありましたが、そんな面倒なことはやってられません。

 

To Do リストに、細かく書き出しました。

・問い合わせフォームに書き込んで送信。

・打ち合わせ日時を決める。

・図面を用意する。

・施工例から気に入ったものを選ぶ。

 

これでようやく第1回目の打ち合わせです。

次は実際に自宅に来てもらって採寸し、プランと見積もり作成へ。こちらは管理組合から工事の届け出書類を入手し、次の打ち合わせへ。

 

これだけのことをするのに、1か月半もかかりました。

工事の時期は選べるというので、暖かくなる3月中旬にお願いしました。工期は3~4週間とのこと。

 

それまでにやるべきこと。

・粗大ゴミ申し込み(7個)。

・棚、ワゴンに置いた物を要・不要に分ける。

・不要品を捨てる。

・押し入れの中の物の移動。

・工事期間の仮住まいの手配。

・仮住まいに持っていく物の荷造り。

・カーテンをはずす。

・カーテンを洗う。

・壁の額、カレンダーをはずす。

・リフォーム開始時までに食品を使い切る。

・管理組合に工事の届け出。

・管理人さん、上下左右の階へのあいさつ。

・・・これでもまだ大きすぎる分類です。棚1段目、2段目、3段目とか細分化しないと、とてもやる気にならないでしょう。

 

生きることは面倒なことの連続です。

一気に片付けるのは無理ですから、小分けしてひとつつずつ…。

 

 

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いつかやりたいことを、今やる

12月、バンコクに行ってきました。

 

日本語学校で月曜から水曜まで教えていて、人手不足で代講も頼みにくい状況。海外旅行なんて当分行けないと思い込んでいたのですが、水曜の深夜便で東京を発てば、最長で4泊5日の旅ができます。添削と次の授業の準備を旅先でしなくてはなりませんが。

 

12月のバンコクは乾季で旅行に最適なシーズンでした。

ロイヤル・オーキッドシェラトンに宿泊。窓の下に広がるチャオプラヤ川を行き来するボートを見ているだけで時間が過ぎていきました。

 

ホテルでのんびりしつつ、街も歩いてみようとカオサン・ストリートへ。別名「バックパッカーの聖地」。英語表記が多く、いかにも西洋人の好みそうなアジアの街角です。

 

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こぎれいなゲストハウスも目に入り「カオサンだったら、少ない予算で何週間も滞在できそう…」という気に。しかし、すぐに「20代、30代の若者ならともかく、還暦が近づいているのに、何を若ぶっているのか」と冷静になりました。

 

人生の折り返し地点を過ぎると、やりたいと思っても、できないことが多くなってきます。

ガルシア・マルケスの小説を愛読し、いつかコロンビアに行ってみたいとあこがれていましたが、一生、行くことはないでしょう。

今はアジアならなんとか行けるけれど、そのうち、「海外なんてとても無理」となっていくのでしょう。

 

「いつかやりたい」と思っていることで、もう無理なことならあきらめる。そして、今ならできることなら、さっさとやってしまおう。この一年はそう思って過ごすことにしました。