経済の勉強もほとんどせずにニューヨーク市場に打って出た私ですが、アメリカ株の投資本は一冊だけ読了しています。
バートン・マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー』
「株式相場は専門家でも予測できないから、インデックス投資で長期運用が最も望ましい」というのが結論。
この本を読んだ当時すでに50代後半で、体力や気力があるうちの旅行資金を作るための投資なので、そんな悠長なことはやっていられないと思いました。
そして「テクニカル分析は科学的な外見を装ってはいるが、実は占星術と同類である」とか「アナリストの業績予想は占星術よりお粗末」など占いが引き合いに出されていることから、占い師は株式相場と相性がいいと感じたのです。
どの銘柄が上がるか占うというより、易で鍛えた直感と連想力を駆使すれば、アナリストと張り合えるのではないか。具体的には、これから世の中に必要とされる業種で経営方針や社風、CEOの人物像、社名や商品名のネーミングセンスなどをチェックして銘柄を選定。アメリカの業界紙の翻訳仕事を30年以上続けてきたことも、米国企業の分析に役立ちました。
長期保有を原則とし、ハイテク、製薬、日用品、食品、外食など業種を分けて10社ほどに投資。時代の風向きが変われば銘柄を入れ替えていきます。言わば自分だけの投資信託のようなもので、ファンドマネージャーは私。

アメリカ株は四半期ごとに配当が出るので、とりあえずドル建てMMFに入れて旅行に必要な分だけ日本円で引き出して使っています。先月の上海旅行の資金にもなりました。今年は職場とも言えるウォール街にも行ってみる予定です。信じられないほど物価が高いらしいニューヨークですが、アメリカ株で儲けたお金をアメリカに還元するのです。
旅に出ると思わぬところに投資のヒントが転がっているものですが、最大の恩人は外国株への投資に気づかせてくれたマイクです。2012年、カウチサーフィンで初めてホストしたイギリス人です。
退職後の株式投資先として日本を考え、実際にどうなのか自分の目で確かめるために来日したマイク。「投資は大成功でかなりのリターンを得た」というお礼のメールが届きました。その後はどうしたのかわかりませんが、円がここまで安くなっても、当時の日経平均株価は1万円前後ですから、保有を続けていたとしてもかなりのプラスを維持しているはずです。
ランダム・ウォークなのは株式市場だけでなく、人生そのもの。確実にうまくいく方法なんて誰も知りませんが、とにかく歩き続けていけば何かが起こります。
カウチサーフィンをやっていた頃は「初対面の外国人を自宅に泊めるなんて」とあきれられたものですが、ランダム・ウォークで世界を巡るのは楽しくて有益だと気付かされた体験でした。
