台湾旅行の前半は夫と一緒。地下鉄で日本語を話していると高齢の男性が話しかけてきました。
「台北は涼しいです」
日本人にとってはちょうどいい気候で上着も着なくていいほどですが、台北の人はここぞとばかりにコートを着込んで涼しさを楽しんでいるようす。
「はい、東京は寒いです」と返しました。日本の統治が終わったのは1945年。日本語で教育を受けた世代はほぼいなくなっているでしょうが、家の中で使い続けたのか高齢者には日本語ができる人がまだいます。地下鉄の男性はネイティブの日本人に日本語で話しかけてみたかったのでしょう。
前回、北投(べいとう)温泉の水美温泉会館の個室風呂に入ったらとてもよかったので、今回は宿泊することに。

北投温泉と愛媛の道後温泉は友好関係にあるらしく、水美温泉会館の前には道後温泉の展示があります。
水美温泉会館はお湯がいいし、スタッフも親切。宿泊者は大浴場に一日二回入れると説明され、連泊なのでたくさん入りたくて残念そうにすると「部屋に温泉があるのに」と不思議がられました。台湾には公衆浴場があまりなく、大浴場に抵抗がある人が多いのかもしれません。日本人は大浴場が好きだからと説明すると「そういうことなら、何回入ってもいいですよ」と言ってくれました。
部屋の温泉もいいのですが、大浴場にはサウナと水風呂、ぬる湯と熱湯もあり交互浴もできます。露天はありませんが、窓から公園を眺めながらぬる湯に延々と入ってすっかり気分がよくなりましたが、なんとなく私だけ他の人と違うような感じがしてきました。私だけシャワーキャップをかぶらずに入浴しているのです。そういえば受付で使い捨ての透明シャワーキャップをもらったけれど、ロッカーに入れたままでした。
部屋に戻ってネットで調べると、台湾の公衆浴場では髪の毛が落ちないようにシャワーキャップをかぶって入浴するのがマナーだそうです。台湾に温泉文化を根付かせたのは日本人だし、「日式」をうたっているから、入浴マナーを調べるなんて考えもしなかったことを反省。よく日本で「マナーの悪い外国人」が問題になりますが、自分がそうなってしまうとは!
北投温泉駅に着くとまず目に入るのが、すき家と大戸屋。お昼のピーク時には行列ができるほどの人気です。

台湾の人にとって大戸屋はちょっと高級な外食。日本より少し高い価格設定です。
席が準備できるまで、受付で名前を言ってウェイティングリストに書いてもらうのですが、私たちが日本人だとわかると名前を聞かれず「外国人」と書かれました。

ベジタリアンメニューの野菜の黒酢あん定食、280元。日本円にして1400円です。ちょっといい定食だと500元近く。黒酢あんは日本と同じ味でしたが、ポテトサラダが台湾人の舌に合わせているのか、かなり甘い味付けです。
外国人扱いされるのがいやだから、日本しか旅行しないという人もいる一方で、私のように物好きな人間はできるだけ外に出てアウェイ状態に身を置くようにしています。自分がいつも正しいなんて思い上がらないよう、自戒のためでもあります。