翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

甲府駅の1と1/2線

下部温泉に行くには、甲府駅で身延(みのぶ)線に乗り換えます。JR東日本Suicaが使えるのは甲府までで身延線JR東海となります。

特急ふじかわの特急券をネットで買っておこうとしたのですが、JR東日本では甲府と静岡区間しかなく、JR西日本では静岡発着のみ。しかも下部温泉駅は無人駅。帰りの特急ふじかわにはどうやって乗車すればいいのでしょうか。

 

特急あずさで甲府駅に到着。Suicaをタッチする必要もあるので、一度改札を出ました。みどりの窓口に並ばなくても、券売機で下部温泉までの乗車券と特急券が買えます。帰る日を指定して往復で購入できたので、これで帰りの心配がなくなりました。

 

今回は乗り継ぎにゆとりがあったのでよかったのですが、新宿からの特急が遅延して接続がギリギリならどうするのでしょう。実際には車内に車掌さんが回ってきて現金で切符を買いSuica清算のための証明書をもらっている人もいたので、乗ってしまえばなんとかなるみたいです。

 

身延線のホームは甲府駅の1番線の先にあります。この売り場でも切符を買えるのでしょう。

 

ハリー・ポッターホグワーツに向かったのはキングス・クロス駅の9と3/4線。身延線甲府駅の1と1/2戦といったところでしょうか。初めて乗る路線は期待と不安が入り混じります。

 

先月泊まった増富ラジウム温泉の金泉閣にはハリー・ポッターの全シリーズが揃っていました。なつかしくて第一巻の「賢者の石」を再読。

作者のJ.K.ローリングは生活保護を受けるシングルマザーで、光熱費を節約するためにコーヒーショップで執筆したという逸話は有名です。

彼女がハリー・ポッターの着想を得たのは、遅れた列車を待っていたとき。伯母夫妻の家で徹底的に冷遇されみじめな少年時代を送っていたハリーにとって、ホグワーツへ移動する列車は本来の自分を取り戻す希望の象徴です。場所を移動すると精神も自由になります。

「ここではないどこか」へ連れて行ってくれる列車の旅。身延線でたどり着いた下部温泉ですばらしいお湯と女将さんに出会えました。これから甲府駅の1と1/2線は何度も利用するつもりです。山梨というと中央線で東京とつながっているイメージが強かったのですが、身延線沿線は中部地方との結びつきも強いようで、宿には愛知や静岡から来たというお客さんもいました。

 

下部温泉駅のホームと特急ふじかわ。

 

いつか体も心も動かなくなり、旅することもなくなるでしょう。動けるうちは自分だけの物語を紡いで心に刻むために、列車や飛行機に乗り込みます。