翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌やビジネス誌の原稿書きを30年。現在はリタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。2025年夏、ガルシア=マルケスの作品舞台となった地を一目見たくてコロンビアへ。ウラナイ8https://uranai8.jp/で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

大輪の花を咲かせた女将さん

増富ラジウム温泉の常連さんから「ぬる湯が好きだったら、下部(しもべ)温泉もいい」と聞きました。お湯が良さそうな宿がありましたが、混浴なのでハードルが高い。のぼせないので延々と入れるのがぬる湯の良さなのに、男性がいるとリラックスできないかもしれません。

そこで選んだのが元湯橋本屋。

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一人用の部屋があり、男女別のお風呂はぬる湯と上がり湯ともに源泉。女将さんがかなり高評価。常連さんが多いのか、予約がかなり埋まっていました。9月上旬に連泊できる日を見つけて予約。その頃になれば少しは涼しくなっていると思ったのですが、甲府では熱中症警戒アラートが流れていました。

 

身延線下部温泉駅から徒歩で20分ほど。女将さんは「連絡いただければ、お迎えに行ったのに!」とおっしゃいますが、スペイン巡礼で800キロを歩いたことを思えばこのくらいの距離なんて何ともありません。

 

とにかくお湯がすばらしい。永遠に入っていたいぬる湯。温かいお湯も源泉で、ちょうどいい快適な温度でした。このお湯に入るために何度でもここに通いたくなりました。

 

食事は女将さんが部屋まで運んでくれます。

温泉旅館の食事が多すぎて胃もたれし、お湯に入れなくなる事態を避けるために、野菜とお肉の鍋とご飯をカットしてもらいました。大きな宿だと個別対応がむずかしいのか「食べられないのなら残してください」と言われがちですが、橋本屋さんでは女将さんがしっかり対応してくれます。女将さんの手作り料理だからこそ、残さずいただきたいのです。アルコール依存症にならないよう、ノンアルビール。酔っ払わないで寝る前の長湯を楽しみました。

 

朝食も充実。ビジネスホテルでは業務用の焼き魚を出すところが多いのですが、分厚い鮭が出てきました。普通のヤクルトではなくヤクルト1000なのにもこだわりが感じられます。

 

連泊するとサービスで昼食まで出してくださるそうですが、朝食をしっかり食べるとお腹がすかないし、駅近くの立ち寄り湯に行ってみたかったので昼食はいただきませんでした。次に連泊するとしたら半分の量でお願いするかもしれません。

 

お湯や食事は申し分なしで、それ以上に感銘を受けたのが、若くて明るい女将さん。3人のお子さんを育てながら家族経営の宿を切り盛りしています。

部屋には女将さん手書きの「橋本屋湯便り」のファイルがありました。先代の女将さんから「うちの息子と結婚してくれてありがとう」と感謝されたそうですが、さもありなん。女将さんになるために生まれてきたような人。温泉宿には願ってもないお嫁さんでしょう。結婚後ほどなくして先代の女将さんが亡くなって宿を継ぐことに。お客さんの予約は1年先まで入っているし、考える間もなく働き続けたそうです。お子さんが小さかった頃は「忙しすぎて何も覚えてない」とおっしゃっていましたが、子育てもしたい働き者の女性には自営業がいいのかもしれません。

 

家事が苦手で人の好き嫌いが激しく愛想のない私は、旅館の女将なんて一日だって務まりません。人それぞれ適材適所。天の配剤ともいうべきでしょうか。橋本屋の女将さんはウラナイ8のデイリーメッセージで書いた「咲ける場所に移りなさい」の成功例です。

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もともと接客が好きだったという女将さんは結婚により自分にぴったり合う場所を見つけて大輪の花を咲かせました。こうした人と接するだけで元気をもらえます。またお会いできるのを楽しみにしています。あのお湯には何度でも入りたいし。