翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌やビジネス誌の原稿書きを30年。現在はリタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。2025年夏、ガルシア=マルケスの作品舞台となった地を一目見たくてコロンビアへ。ウラナイ8https://uranai8.jp/で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

クラクションと犬笛、猫の家

沖縄では自動車のクラクションをあまり鳴らさないそうです。狭い島国なので前を走る車の運転手が知り合いの知り合いである可能性が高いから。那覇の飲み屋さんで「本当に鳴らさないのですか?」と質問するとなぜか大笑いされました。内地の人間にしてきされるまであまり意識していないほど自然なことなのかもしれません。

 

いかにもゆったりした南国らしいエピソードですが、物事にはいい面と悪い面があります。

内地から来た経営者が、見込みのあるアルバイトをリーダーに抜擢して時給も上げようとしたところ、辞退されたという話を読みました。沖縄の職場や学校では、抜きん出た存在になることを嫌い、みんな平等で和気あいあいと過ごすのが好まれるのです。仲がいいのはいいことですが、こうした風土ではイノベーションは生まれにくいと経営者は嘆いていました。

 

かといって競争にあおりたてられるブラックな職場では精神を病む人も出るだろうし、過度の実力主義の元では格差は広がる一方です。

 

最近の日本の選挙はおかしなことになってきて、当選を目指さず立候補して他候補を応援する2馬力選挙という手法が問題になっています。選挙運動中に落としたい候補の陣営を誹謗中傷し、自殺に追い込まれた人も。特定の周波数で犬にだけ聞こえる音を出して犬を動かす犬笛のように、自分の支持者にだけわかるメッセージを発して煽動。クラクションを鳴らさない社会の対極にあるような現象です。

 

那覇のホテルの入り口には、スーツケースを利用した猫の寝床が。

スタッフに聞くと、那覇でみ冬は寒い日があり猫がお客さんと一緒に自動ドアからホテルの中に入ってきてしまうことがよくあったそうです。そこで、カイロを入れて暖かくした寝床を用意し、そこで過ごすように躾けているのです。この日いたのは、たぬきという名の猫。もう1匹、チビという子猫がいるそうですが、なかなかのやり手で別宅に寝床をもう一つ持っているため、会うことができませんでした。

家族経営の民宿というわけでもなく、そこそこの大きさの新しいホテルです。経営者も猫好きだから許されているのでしょうが、いかにも沖縄らしい大らかさです。

冬の寒さやスギ花粉だけでなく、世知辛い世の中から逃げ出したくなったら沖縄に行けばいい。来年は暮らすように過ごす長期滞在を目指したいものです。