翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

戦略的に縮む

ガス給湯器の故障に気がついたのが11月1日。翌日には点検の人が来てくれて、応急処置をしてくれましたが、新しい給湯器の年内納品はあやしいと言われました。

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エコキュートなら在庫があると聞いたのですが、ガス管のカバー部分が欠品。とりあえず給湯器だけ交換して、カバー部分は入荷次第の工事にできるけれど、出張工事費が2回分になってしまいます。そんなに困っていないので、部品がすべてそろってからにしてもらいました。

ガス会社の人は、他社と相見積もりをとって結局断られるのを心配しているようでしたが流通網がずたずたになっているのに、そんな面倒なことをする気にもなれません。給湯器が使えなくて本当に困っているお客さんから無理を言われることも多くでしょうから、せめて我が家はノークレームの客になるべきでしょう。

 

そんなことを思うのは、ガス給湯器故障をきっかけに『未来の年表2』を読んだから。

『未来の地図1』が出た翌年の2018年発行で、日常生活で起こりえる具体的なシーンが描かれています。

 

3のスズメバチは、所有者不明の空き家にできたスズメバチの巣が駆除できないため。

6は野球部員が不足し、複数の高校が集まって合同チームを作るため。すでに2017年の鹿児島県の秋季大会で起こったそうです。

12は駅員の手助けが必要な高齢者の増加で公共交通のダイヤが乱れる上に、郊外の人口減で大幅な減便が実施されるためです。

 

こういうのを読むと、ガス給湯器の交換工事が多少延期になろうと文句を言う気もなくなります。

 

とりわけ気が重くなるのは空き家問題。過疎地だけでなく大都市でも起こります。

 空き家率が30%を超えた地域は、急速に治安が悪化し、スラム化しするという説がある。野村総合研究所の試算(2016年)では、2033年の日本の空き家率は30・4%に達すというから、もしこの説に従うならば、2030年代の日本は東京も含めて、荒んだ風景が広がることになる。

マンションは築35年を越えると上下水道の配管、空調ダクト、エレベーターなどを新しくする必要がありますが、管理組合が機能しなくなり修繕できないマンションが続出することに。一戸建てなら相続した人がなんとか手を打つかもしれませんが、マンションの場合は空き家のまま放置するしかありません。

 

風水で空き家や枯れた井戸を大凶とするのは、本来なら生命力があるはずの場所が朽ち果てているから。枯れた植木鉢を放置するのもよくありません。日本全体が空き家だらけになるのは、国力の大きな衰退の象徴です。

 

『未来の年表2』では、「戦略的に縮む」という解決策が示されていますが、前途は多難。水害が起こるたびに、安全な場所にまとまって住むコンパクトシティを推進すればいいのにと思いますが、先祖代々の土地や何十年もローンを払った家を手放すのは高齢者にはむずかしいでしょう。

そして、個人としてできることは、働けるうちは働くこと。一人で2つ以上の仕事をこなすことも勧められています。そして家の中をコンパクトにし、ライフプランを描くこと。

あと3年で高齢者の仲間入りをする私にはちょっと遅すぎるように思いますが、そのうち高齢者の定義が現在の65歳以上から70歳、75歳と上がっていくかもしれません。正直、もう働きたくないのですが、軽い仕事を2つぐらいなら続けられるかも。家の中の整理はゴールが見えず、とりあえず持ち過ぎている物を少しずつ減らしているところです。

 

衰退の先輩国、スペイン。何世紀にもわたって栄華を誇ってきた歴史遺産が街のいたるところにあり、高齢者を大切にする国民性は大いに参考になります。

サンティアゴ・コンポステーラへの道は全世界からやって来た数万人の巡礼者が歩きます。四国のお遍路さんももっとPRすれば興味を抱く外国人旅行者はかなりいるはず。「外国人に合わせる必要はない」という声もあるようですが、ちゃんと整備すれば貴重な外貨獲得ルートの一つになるでしょう。