日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会のイベントは、とても楽しかったのですが、面識のないグループに参加したり、初めてのことをするのには勇気が要ります。
8月から始めたヒップホップは、4か月目となりました。
老婆がヒップホップを踊るなんて、どう思われるだろうと不安になっていたのは自意識過剰でした。みんな自分の動きに集中し、人のことなんてあまり見ていません。
1週ごとに曲のパートを練習して、数週間かけて一曲を踊り通せるようになります。休むと途中が抜けてしまうので、仕事でもないのに皆勤して練習に励んでいます。
珍しいことに、先生がステップの順番を間違ったことがありました。
「たとえ間違ったとしても、僕のように何事もなかったかのように踊り続けてください。見ている人は正しい振付なんて知りません。堂々と踊っていれば、そういう振付だとなるのです」
なるほど。勉強になります。ヒップホップの先生は、踊りのキレも鋭いのですが、時々哲学的なことを口にします。リズムに付いて行けなくなるまで、できるだけ長く続けたいものです。
人間は基本的に変化に抵抗する生き物です。気候や環境の変化が食糧不足をもたらした時代のなごりですが、変化を拒んでばかりいるのも生存を脅かします。
高齢になるにつれて保守的になりがちですが、老人こそ変化を受け入れなくてはなりません。若い頃のように体が動かず、頭も働かなくなるのですから。
そして、住み慣れた自宅を離れたくなくても、そうもいかなくなる日がくるでしょう。猛スピードで高齢化が進めば、今の水準の介護も受けられなくなるかもしれませんし。
先日読んだニュース。
ニュースの論調は70代の姉妹に同情的ですが、築57年で5分の4以上の住民が建て替えに賛成しています。所有権を売却して別の物件を購入するか施設に入ることもできるはずなのに、どこから手を付けていいのかわからず途方に暮れているのでしょう。
若者以上に高齢者こそ新しい体験を恐れてはいけないと肝に銘じました。
今年は都内のホテルにけっこう泊まってみました。マリオット系列のモクシー東京錦糸町はいかにも若者向け。たまにはこういうところもいいでしょう。今はヒップホップを踊っていても、いずれは介護施設で童謡に合わせてお遊戯をさせられるかもしれないのですから。