翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

高尾山にピレネーを感じ、巡礼の心を学ぶ

いつかはスペインの巡礼路を歩いてサンティアゴ・デ・コンポステーラへ。

bob0524.hatenablog.com

 

「いつかは」なんて悠長なことを言ってたら、一生行けないかも。年を重ねるにつれ老いの坂道を転がり落ちています。とりあえず来年の秋に行くつもりで準備を始めました。

ほぼ毎日、スポーツクラブに通ってダンスのレッスンに出ているので体を動かすことには慣れています。歩く練習としてトレッドミルを使って1時間5キロのペースに慣れているところです。

巡礼は平坦な道がほとんどですが、フランスの国境の町サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから歩き出すとすると、いきなり初日に最大難所のピレネー越えです。

8キロ地点の山小屋に泊まるか、さらに18キロ歩いてロンセンバージェスまで行くか。最初の日に挫折するのは避けたいので、山歩きの練習も必要です。

 

ということで、高尾山に行ってきました。

東京に30年以上住んでいるのに、アウトドアにあまり興味がなく高尾山に来たのはこれで3度目です。

 

1時間もあれば高尾山口駅に着くので、特に早起きしなくても午前中から登り始めることができます。

ビアマウントという2時間制食べ放題・飲み放題という、いかにも私が行きそうなビアガーデンがありますが、今回はパス。ビールを飲み過ぎて歩けなくなるのが目に見えていますから。

 

昼食は薬王院で精進料理の蕎麦御膳。

精進料理ですから、海老や牛肉のしぐれ煮に見えるものは、すべて「もどき」。

なるほど、この精神に学べば、高尾にいながらピレネーを感じることができるかもしれません。

 

大きな羽のある天狗は、大天使ミカエル。

 

ケーブルカーもリフトも使わず、徒歩で高尾山を下りただけで翌日はふくらはぎが筋肉痛でした。平坦な道は長時間歩けても、アップダウンが苦手。こんなことでピレネーが越えられるのか。いっそのこと、パンプローナから出発するという手もあります。100キロ以上歩けば巡礼したことになるので、サンティアゴ・デ・コンポステーラの手前115キロのサリアから歩き始めるという人も多いようです。それなら5日間ほど。初回はそのほうが無難かもしれません。

 

ネットで見つけた高野凌さんという方の「定年バックパッカー海外放浪記」の巡礼体験。

雨模様の午後、あと10キロ近く歩かなくては巡礼宿はありません。ぬかるんだ道と重い荷物、気の遠くなるような聖地までの距離に心が折れそうになっているところ、たまたま出会ったカナダから来た巡礼者と話しているうちに、自分が根本的に間違っていると気付いたそうです。

現在の状況をあるがままに全て受け容れてそれを楽しみ慈しむ。それの連続の果てに聖地が待っている。それが本来の巡礼の姿であろう。目前の困難にくじけたり、一日の歩行距離や計画の達成率に一喜一憂しているようでは巡礼の意味がない。

 

コロナの状況が読めないので、来年行けるかどうかは定かではありません。コロナが収まっても、世界情勢が激変したり、健康自慢の私が病に倒れる可能性だってゼロではなりません。1年も先のことなんてわからないけれど、目の前の仕事や家事を片付けながら、できる範囲でサンティアゴ・デ・コンポステーラへの準備を整える。計画が実現できなくても、そうした日々の積み重ねこそ巡礼だと思うことにしました。