翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳ですが、そろそろリタイア状態へ移行中。JALの「どこかにマイル」で日本各地に出没。ウラナイ8で活動しています。

誠実なだけでも、知的なだけでも十分ではない

連日の旧統一教会と政治を巡る報道。

有名人の合同結婚式霊感商法が大々的に報じられたのが、1992年。あれから30年もたっているので、知らないという人も多いのでしょう。

 

しかし、いい年をした政治家が「知らなかった」で押し通せるのでしょうか。そんな危機管理能力で政治家が務まるのでしょうか。

かといって「知っていたけれど、票が欲しいから利用した」と正直に言えば、倫理観の欠如が露呈します。

 

ヤスパースの言葉を思い出しました。

「誠実である、知的である、ナチス党員である。この3つは同時に成立しない」

若いころ新聞のコラムで目にした記憶があるのですが、ネットで検索するとヤスパースの言葉かどうかは定かでないそうです。

 

原文らしき英文にたどりつきました。

If you are sincere and intelligent, you're not in the (Nazi) Party.

If you are sincere and in the (Nazi) Party, you're not intelligent.

If you are intelligent and in the (Nazi) Party, you're not sincere.

もしあなたが誠実で知的であれば、あなたはナチス党員ではない。

もしあなたが誠実でナチス党員であれば、あなたは知的でない。

もしあなたが知的でナチス党員であれば、あなたは誠実でない。

 

第二次大戦が終わり強制収容所が解放され、ドイツのナチス支持者の多くは、ナチスがやってきたことを知り愕然としたそうです。2番目の「誠実なナチス党員」だったのでしょう。

中には、うすうす感づいていたけれど、ナチスを支持しなければ不利になるので知らないふりをしていた人もいたでしょう。3番目の「知的なナチス党員」です。

 

できれば誠実で知的に生きていきたいけれど、加齢とともに判断力は衰えます。世の中はますます複雑化していき、正しい選択ができるか自信がありません。

 

長崎の大浦天主堂(おおうらてんしゅどう)。命を差し出すほどの強い信仰はどうして生じるのか興味がありますが、永遠の謎です。

 

そして、どの宗教も始まりはカルト。仏陀は妻も子供も捨てて出家して、家族は大いに悲しんだそうです。

キリストも金持ちの青年に「持ち物を売り払い、貧しい人に施しなさい」と説教しました。そんなことはできないと青年が立ち去ると、「富んでいる者が天国に入るのはむずかしい。金持ちが神の国に入るより、ラクダが針の穴を通る方がまだやさしい」と弟子たちに言いました。カルト教団献金集めマニュアルに書いてあってもしっくりきます。

 

今後、私が洗脳される可能性はゼロではありません。占いなんて怪しいものに関わっているし、瞑想や巡礼に興味があるから。信じることで安らぎが得られるならそれもありですが、人を勧誘するようになったらおしまいです。

 

ラム・ダス『覚醒への旅』の一節を肝に銘じます。

 神と悪魔とがある日、街の通りを歩いていったとき、神はからだをかがめて何かを拾い上げたというお話がある。神は手のなかで光り輝くものをじっと見つめた。好奇心を抱いた悪魔はたずねた。

「それはなんです?」

「これはね、真理なんだよ」と神は答えた。

「ねえ」と悪魔は手をそれに伸ばしながら言った。

「私にもたせてくださいーーあなたのために、それを組織化しますから」