翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

老犬とローマの泉

本格的な夏休みになるシーズンが始まる前にJALの「どこかにマイル」でこっそり帯広へ。

 

北海道で一番好きな街は帯広です。札幌の賑わいや函館の異国情緒、釧路や女満別の抜けるような青空も素敵ですが、街に到着してほっとするのは帯広。野菜と乳製品がおいしいし、六花亭の本店がありスイーツも堪能できます。

できれば夏は帯広に長期滞在したいのですが、踊れるうちにズンバを楽しみ尽くしたいので2泊か3泊にとどめています。旅先のスポーツクラブを利用するという手もあるけれど、場所によってルールも違うだろうし、顔見知りのインストラクターや参加者と盛り上がる楽しさは格別。レッスンの時だけ顔を合わせて軽く挨拶をするだけのゆるいつながりは最高です。

 

親友の優春翠は愛猫家で「猫に人生を支配されている」と言いますが、私にとってはズンバ。

彼女とは長い付き合いで、ちょくちょく家に泊めてもらって語り明かしたものです。人間以上に気配りができる黒猫のくーちゃんにいつも癒されました。時は流れ、くーちゃんは老齢を迎え、先日の島根訪問ではかなり衰弱していました。「もしかしたら今晩が山かも」と優春翠が言うので、私は震えあがりました。くーちゃんは私のことを覚えてくれていて、差し出した手にごろごろとすり寄ってくれていたのですが、来客へのそうした気配りが負担をかけているように思ったからです。

 

帯広で訪れた喫茶店。看板犬のくろちゃん。

10数年前、商店街に住み着いた野良犬で、飼いたいという人のために捕まえたら、結局その人が飼えなくなって引き取ったと語るマスター。足元がおぼつかず、よたよたと入口まで歩き外を見ているのは、常連さんを待っているのでしょう。元気な時は誰にでも愛想がよかったとマスターは言います。

 

ウラナイ8の玉紀さんも愛犬トッピーの介護がかなり大変そう。しょちゅう旅に出る私はペットと暮らす選択肢はなく、人が飼っている犬や猫をちょっとかわいがらせてもらえるだけでもありがたいことです。

 

 

帯広の温泉は大地の恵みがお湯に凝縮されたモール泉。サウナもあちこちにあって水風呂の質もいいし、最高に「ととのう」環境です。

本格的なフィンランドサウナのある「森のスパリゾート 北海道ホテル」が有名ですが、今回は駅前の十勝ガーデンホテルに泊まり、日帰り温泉のローマの泉へ。

 

店名は、古代ローマの公衆浴場(テルマエ)から。

脱衣室、浴室、サウナは個室で1時間2000円。平日は30分延長無料。モール温泉かけ流しの温泉に、水風呂は地下水かけ流し。脱衣室の扇風機を回せば「ローマの風」。栄華を極めたローマ皇帝でもこんな贅沢は味わえなかったでしょう。ここはスタッフの方々も親切で感じがいい人ばかり。10回行けば無料になるサービス券もいただきました。期限はありません。JALの「どこかにマイル」頼りなので、いつになるかわかりませんが、ぜひ達成したいものです。

 

帯広の喫茶店の老犬とローマの泉は、しっかりと記憶に残りました。そのうち健康寿命が尽きて、自由に動け回れなく日が来ても、脳が働いているうちは思い出を何度でもかみしめることができます。