翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

福岡ソバーキュリアスの旅

『飲まない生き方 ソバーキュリアス』という本を手に取ったのは「このままアルコールを飲み続けていいのだろうか」と感じていたからです。

ソバーキュリアスとは、英語のsober(しらふ)とcurious(好奇心)を組み合わせた造語。アルコールを飲まない生き方を選択することで、人生にどんな変化が起こるかを観察する感じでしょうか。著者はイギリス人の女性ジャーナリストです。

 

代り映えのない毎日が退屈で、日が暮れたらついアルコールに手が伸びる…。だったら、刺激のある日を送ればいいのでは。

 

そんなことを思ったのは、今月のJAL「どこかにマイル」福岡の旅でまったく飲まずに過ごしたからです。

 

お世話になっている編集者が福岡の旅から帰ったばかりで、朝から午後2時まで朝食を出す居酒屋「いとおかし」を教えてくれました。

ネットの口コミによると、朝は夜勤明けの人で大盛況らしいので、ドーミーインで朝のサウナを満喫し、10時過ぎに行ってみました。

1階のカウンター席はいっぱいで、2階に案内されました。広いテーブル席に案内されて恐縮。親切な店員さんが「そんなに小さくならないで、堂々と座ってください」と言ってくれました。他の席では元気な男性グループがご飯大盛のお代わりも頼んでいるようす。店員さんが「お残しは許しまへんで」と返していたので、朝定食のご飯を半分でお願いして、刺身盛り合わせを付けました。

 

朝定食の魚は日替わりで、この日はほっけ。副菜の辛子明太子がおいしくて、ご飯を半分にしたのを後悔しましたが、刺身まで食べるとこの量がちょうどでした。お冷がビールジョッキで出てくるのも、サウナの後にはありがたい。

福岡の海の幸を満喫。会計時に「新鮮な魚をたっぷりいただけて幸せです」と伝えると「それはよかった! またぜひ、いらしてください」。こんな店が地元にあれば通い詰めるのに。

 

二日目の宿は旅のサブスク、ハフ福岡へ。ドーミーインから近いし、サウナラボ福岡のすぐ隣という抜群の立地です。1階はお洒落なカフェバー。寝る前にカウンターで一杯飲む気満々で、夕食は食の専門誌の編集者におすすめされた「牧のうどん」へ。

 

「いとおかし」の朝食を昼食と兼ねていたので、かなり空腹。うどん一杯なんて軽いものとたかをくくっていました。

讃岐うどんと比べてたしかにコシがないけれど、だしが抜群においしい。食べ進むうちに、うどんがだしを吸って膨張していきます。そこで小さなヤカンに入っただしを追加していきます。

満腹になってもまだうどんが残っているし、追加投入しただしも残すわけにもいきません。かしわめしや稲荷、おにぎりとセットで注文している人もいましたが、どんな胃袋をしているのでしょう。

なんとか食べきったものの、お腹の中でうどんが膨らんでいるようでアルコールを入れるゆとりがなく、この日もシラフで寝ました。

 

思いがけずソバーキュリアスの旅となった福岡。自宅にいても、新しい体験を心がければ飲まずに済むのではないかと思い至りました。大げさなことでなくても、新しい食材を買うとか、知らない道を歩いてみるとか。ただ、この暑さで不要な外出を控えているため、やはりアルコールが友達になってしまいがちです。ソバーキュリアスの本には「友達になったアルコールはいずれパートナーとなる。このパートナーは毒気が強いんです」という医学博士の言葉が紹介されていました。