翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

「とりあえず」の魔法

片っ端から自己啓発本を読んでいるのに実践できず、だらだらと毎日を生きています。

認知行動療法のバイブル『いやな気分よ、さようなら』も読んでみました。原題は"Feeling Good"。いつもいい気分でいられたら、どんなにいいでしょう。

 

すぐに役立ちそうなのが、チックタック法 (TIC-TAC Technique)。仕事を妨害する認知(Task Interfering Congnitions)、仕事を方向付ける認知 (Task Oriented Congnitions)の頭文字を取ったものです。

私がいやな気分になるのは、やらなくてはいけないことを先延ばしている時。だめな自分を嫌悪し、ますます嫌な気分になるという自己嫌悪です。旅行なら計画を立てれば実行できるのに、大きめのプロジェクトの仕事や断捨離は一向に進みません。

 

紹介されている例が、まさに私に当てはまります。

断捨離を先延ばしにしている主婦。

「押入れを片付けるなんて無理。膨大な物が詰め込まれているのだから」が仕事を妨害する認知。「とりあえずやってみよう。1日で全部やってしまう理由はない」が仕事を方向付ける認知です。

論文や執筆を先延ばしにしている学生や作家。

「自分が書くものなんて大した意味がない」「大作で創作意欲が湧かない」が仕事を妨害する認知。「とりあえず書いてみよう。傑作である必要はないのだから」「適当な部分だけ、とりあえず手をつけてみよう。後になったらきっといい考えも浮かんでくるだろう」が仕事を方向付ける認知。

 

日本語の「とりあえず」は、将来を視野に入れない応急措置のようなニュアンスがありますが、英語では"for now"。過去や未来に囚われず「今」に集中。とりあえず手を付けてみなければ、何事も始まりません。「そのうちやろう」と思っているうちに、一生が終わってしまいます。

 

半年ごとに日赤から献血のお願いが来ると、とりあえず駆けつけます。確実に世の中に貢献できる方法だから。今回はマスクやカレー、クリアケース、タオルハンカチなどのお土産をいただきました。

 

「何もしないうちに一日が終わってしまった」と落ち込み「明日は心を入れ替え、先延ばししているあれこれを一気に片付ける」と思いたくなりますが、未来の自分も今の自分と同じようにグズです。「とりあえず」という呪文を唱え、できるところだけ着手してみることにします。「とりあえず」を毎日続ければ魔法が起こるかもしれません。