コロナ禍の今となっては信じられないことですが、数年前までカウチサーフィンを活用して、外国人旅行者をホストしたり、海外旅行先で現地の人と交流していました。エアビーアンドビーの台頭でカウチサーフィンは駆逐され、コロナでとどめを刺されました。
金銭を一切介入させずに外国人をホストしたり、外国人の家に泊めてもらうなんて、あまりにもリスキー。でも、カウチサーフィンのサイトの評価システムをチェックしてメールのやりとりをすれば人柄がわかるものです。情報交換のミーティングもあっていろいろと教えてもらいました。
教えの一つが「常にプランBを持つ」。
カウチサーフィンは善意で成り立っているシステムで、宿泊料金を払うホテルではありません。ホストに不測の事態が生じて泊まれないこともありえます。そうした時は、あきらめてホテルへ。「泊めてくれるって言ったのに!」とホストを責めてはいけません。もともと無料なんですから。どんなに親切そうなホストでも、ホテルの場所を調べておく必要があります。
朝日新聞の経済欄で「楽観バイアス」という言葉を知りました。
人は危機に直面すると、自分に都合の悪い情報を無視したり、過小評価する傾向がある。
昨年3月に東京オリンピックを「完全な形で開催する」と1年延期したのは楽観バイアスによるもの。あの時は国民の大半も納得していました。
総理お得意のフレーズは「仮定の質問にはお答えしない」ですが、それはあくまでも表向きのポーズで水面下でプランBも進めていますよね…。国のトップなんだから。
2013年、学生でもないのにこの本を読んだのは、フリーランスで雑誌や書籍の記事を書くといういう仕事の先行きが暗かったから。
著者の大石哲之氏はコンサルタント出身で、海外に拠点を置いてノマドとして働いています。先日観たアメリカ映画『ノマドランド』の下層ノマドではなく、カフェでパソコンに向かって知的作業を行う上層ノマドです。
カウチサーフィンを始めたり、日本語教師の資格を取るために学校に通い始めたのはこの本の影響もありました。
この本に、就職の面接では「その企業のビジネスのどこに興味を覚えて、どういう仕事に取り組みたくて、どういうことができるのか」と端的に述べよとあります。
たとえば、原発事故後の東京電力に転職するとしても、志望動機を言うことが可能。
世界最悪の原子力事故の後片付けをするというのは、あとあとネタになる経験になります。いろいろの物事を整理しないといけないので、未曽有のリストラの経験をすることになるのです。ですから、そういった、リストラや組織を変えていくということに対して、自分の力が発揮出来れば、それはそれで仕事になるのです。
私はコンサルの経験もありますから、そういった後ろ向きの人員削減も、撤退戦も考えたことがあります。名前は言えませんが、ある斜陽の企業で、余剰になった50代の人員の数をエクセルシートに書いて、自然退職が何人で、いつからどれだけ派遣や外注に切り替えるといったような計算もしたことがあります。ですので「御社の撤退戦に興味があります。リストラで組織がよくなるのが好きなのです。経験もあるのでお手伝いできます」と言うことができます。これが志望動機です。
なるほど。コンサルは新プロジェクトを立ち上げたり売上げを伸ばすだけでなく、撤退戦も手がけるのか。有能なコンサルなら、傷を最小限にして撤退できるでしょう。
東京オリンピック。水面下でプランBが用意され、撤退のプロがスタンバイしていることを、東京都民として祈っています。
介護帰省で東京と神戸を往復する日々が続いていた頃、マイルを貯めたいのでJALの利用が多かったのですが、新幹線に比べると不確実要素があります。時には新幹線のスマートEXも利用。空港ラウンジのビールもいいですが、新幹線のかちかちに凍ったアイスクリームも楽しみました。