昨年の今頃はコロナがこんなに長引くとは予測せず、楽観的でした。ステイホームで読書に動画、ゲームを満喫しました。
しかし、東京は三度目の緊急事態宣言。
通勤の必要がない私は家に引きこもるしかなく、さすがに飽きてきました。スポーツクラブのスケジュールでかろうじて曜日の感覚を保っていたのに、休館中。ちょくちょく通っていた地元の飲み屋も閉まっています。
亡くなった父が施設にお世話になっていた時、「ここは監獄みたいだ。家に帰りたい」と言っていたのを思い出しました。そこまで言うならと、自宅での介護体制を整えて退所することに。身内からは「誰もいない夜中に倒れたら? 心配じゃないの?」と批判めいたことも言われましたが、残り少ない人生だから本人の希望を最大限にかなえるほうを優先しました。結局、半年ほどで一人暮らしは無理だと本人が納得して施設に再びお世話になり看取ってもらいました。
コロナが収束しても、高齢になって自分の始末ができなくなったら気ままな暮らしはできません。監獄とまでいかなくても、自由は制限されます。
もともと監獄での生活に興味があってホリエモンからジェフリー・アーチャーまで獄中記を読み漁り、ネットフリックスの『オレンジ・イズ・ニューブラック』も観ました。
JALの「どこかでマイル」で女満別空港が当たり、網走にも行きました。網走刑務所が観光施設として公開されており、併設のレストランでは監獄食も味わえます。
刑務所の食事は一日1500カロリーで三食出ますから、一食は約500カロリー。伊豆高原のやすらぎの里は一日1000カロリーで二食だから、一食分は同じ! 白米ではなく雑穀米なのも同じ。おしゃれに盛り付ければ、網走なのか伊豆なのかわかりません。
やすらぎの里、最終日の朝食。
やすらぎの里は断食コースがメインですが、外出制限があるわけではなく、外に出てこっそり食べようと思えば可能です。私が参加した普通食コースにしても、カフェでケーキセットを注文できますし、アルコールをこっそり飲んでも温泉で酔いを醒ませばばれないでしょう。
でも、ほとんどの人はそんなことをしていません。
なぜなら、自分で選んだことだから。そこが監獄との大きな違いです。自らが看守と受刑者の一人二役となれば、節制生活も苦になりません。
コロナによるダメージの度合いは人それぞれですが、仏教の教えでは生老病死は誰も免れることはできません。