翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。ウラナイ8所属。

うぬぼれ屋で欲張りだから酒を飲む

東京都は緊急事態宣言により外でお酒を飲むことができなくなりました。しかし、スーパーやコンビニに行けば、何でも手に入ります。ウォッカやジンなどアルコール度数の高いお酒がコンビニの棚に並んでいることに、来日したフィンランド人がびっくりしていました。フィンランドでは政府が管理するお店でか買えないそうです。

アルコール依存症予備軍はけっこういるそうで、コロナによって加速しているのでは。家で飲むと閉店時間もお勘定も気にしなくていいので歯止めがきかなくなりがちです。

 

そこで読んだのがこの本。

 

 

30年間毎日飲み続けた大酒飲みの作家がぴたりと飲むのをやめた体験談です。

 

強く心に残ったのは、「酒でも飲まないとやってられないと思うのは、自己評価が高すぎるから」という箇所。自分は世間から正当な評価を受けていない、本当の自分はもっとすごいんだといううぬぼれ屋が酒を飲んで気を紛らせているのです。

 

「自分は平均以下だと思え」というのが町田康の教え。

そして、「普通、人生は楽しくない」「酒を飲んでも飲まなくても人生は寂しい」と説きます。「もっと楽しいはずの人生なのに、つまらない」「人気者になれるはずの私なのに、寂しい」という自己認識がまちがっているのです。

 

物欲はそれほど強くないのですが、「楽しみ欲」「体験欲」みたいなものに囚われていると思い至りました。旅に出るにしても、自由行動のないパッケージツアーでは満足できず、特別な体験を求めてきました。

アイルランドのパブやスペインのバルは現地の人と交流できる貴重な場だったこともあり、旅を重ねるにつれアルコールに対する愛着が増していったのです。

 

そろそろ欲や執着を手放す時期なのかもしれません。

 

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一昨年のバンコクの旅。

滞在最終日にホテルのマネジャーが「明日はお酒を出しません」と言います。何かの冗談だろうと思ったら、本当でした。

仏教の祝日は仏陀の誕生日(4月8日)、悟りを開いた日(12月8日)、入滅日(2月15日)の3つだと仏教英語講座で習いました。ただし、東南アジアではこの3日をまとめて5月の満月の日にお祝いし、タイではお酒を飲まない日となるのです。

アイリッシュ・パブの「ザ・ドランケン・レプラホーン」はがらがらで、バーマンも苦笑いしていました。もぐり酒場のようにこっそり酒を出してくれないかと期待しましたが、出されるのはノンアルコールのカクテルのみ。スーパーでもアルコールは販売禁止ですが、酒造メーカーの販売員らしきスーツ姿の若者がせっせとお酒売り場の飾りつけをしていました。12時を過ぎて日が改まると販売できるので、その準備とのことでした。

 

父の四十九日法要までアルコールなしで過ごしたのは、父の死があまりにも急で受け入れられず、現実じゃない世界にいるような気がしたから。

そして、先月1週間滞在した伊豆のやすらぎの里は毎日が新鮮な体験に満ちていて、お酒を飲む必要ありませんでした。そういえば、ワ―ケーションで那覇や熊本に行った時も、女一人で酒場に入りにくいこともあり、飲まずに済ませています。

 

そういった非日常ではなく、ふつうの毎日でもアルコールを必要としない、謙虚で無欲な人間になりたいものです。まるっきりやめてしまうのではなく、たまにたしなむぐらいが理想です。