去年の5月、韓国の釜山に行きすっかり気に入りました。
便を選べば成田からJALで片道1万4000円。税金とサーチャージが加算されますが、運賃だけなら関西に行くのと変わりません。しかもマイルが貯まる。
また釜山に行こうと思っていたのに、このところの日韓関係で二の足を踏んでいます。釜山はソウルよりのんびりしていて、外国人にも親切でした。国と国の関係が悪くなったからといって、旅行者にいやがらせをするような人はそういるわけではないでしょう。行けば行ったで楽しく過ごせそうですが、もう少し状況が落ち着いてからのほうがいいのかと思ってしまいます。
釜山で泊まったホテルには大浴場がありました。海を見ながら入浴ができる上に水風呂もあります。温度管理もちょうどよく広々としていて、ここの水風呂に入るためだけでも釜山に行きたいと思わせるほどの極上の水風呂でした。
フィットネスクラブを併設しているので、地元の人も大浴場を利用しているようです。入浴してリラックスしながら、韓国語の会話を耳にしていると、旅に出ているという実感がわきます。
韓国にはそのうち行けるでしょうが、北朝鮮には? 北京経由の団体ツアーなら今でも行けるでしょうが、もっと気楽に個人で旅行できるのはいつになるのでしょう。
今年5月のバンコクの旅では、北朝鮮レストランに行きました。タイと北朝鮮は国交があるのです。
北朝鮮の貴重な外貨獲得手段となっており、「経済制裁すべきなのに、そんなところにのこのこ行くんじゃない!」と憤る人もいるでしょうが、行ってみました。
ちょうどその日は、仏誕祭で禁酒日。外貨を落とそうにも、飲み物はミネラルウォーター。平壌冷麺とチヂミの質素な食事となりました。
女性スタッフは、喜び組? 若くてかわいく、素朴。日本人の駐在員がよく行くというのもわかります。一昔前の日本の男が理想としたようなタイプです。
冷麺をはさみで切ったり、調味料を混ぜたりあれこれ世話をやいてくれます。私が日本語教師をしていたと言ったわけでもないのに、日本語について質問して座をもたせる接客スキルもなかなかのもの。
海外に出ているということは、超エリート家庭の出身なのか。資本主義の大都市バンコクに暮らしてどう思っているんだろう。北朝鮮がいやでも、本国の家族のことを思えばとても脱北なんてできないでしょう。たまたま生まれた国が独裁国家だったというだけで、本質は私たちと変わらない。
こうして書いているうちに、また旅に出たくなりました。人生の時間は限られているからこそ、「ここではないどこか」に行きたい。この欲があるから、単調な日常生活に耐えているような気がします。