昨年の12月22日、ウラナイ・トナカイでの年筮の会。
易者にとって冬至が一年の始まり。参加者の皆さんと一年の成り行きを占い、いつもスリリングな展開になります。
まず見本として私が自分の年筮を立てるのですが、出たのが水沢節(すいたつせつ)の三爻でした。
易の卦は戒めとして出ることが多いのですが、私は「節度」とか「節制」から程遠い人間です。
真っ先に思い浮かべたのが「節酒」。飲みだしたらとことん飲んでしまうので、ほどほどにしておけという易神からのアドバイスだと思いました。
小倉の角打ちに張ってある戒め。「自分の適量にとどめよう」がむずかしい。
水沢節は地味な卦だと思ったのですが、年明けから意外な展開となりました。
1月下旬、母の四十九日法要へと向かう新幹線で日本語教師の休職を決めました。昨年の冬至では思っても見なかったことです。
水沢節の「節」は竹の節。人としてのけじめを指します。三爻だから三年目でけじめをつけるということでしょうか。後付けならどんな占いでも当たるという典型的な例であり、易神が年筮を通して伝えようとしたのに、私が読みきれなかったのです。
本業の原稿書きは続けるものの、連載を持っている雑誌が休刊になるかもしれないし、その前に連載が打ち切りになる可能性もあります。一昔前までは単発で仕事を依頼されることも多かったのですが、こちらのほうも減っています。
雑誌や書籍の全盛期でもフリーランスのライターで60代より上の人はあまり見かけませんでした。時代的にも年齢的にもリタイアに向けてギアを切り替える節目の年だったのだと思います。
日本語教師の仕事は楽しい反面、苦しいこともたくさんありました。水沢節は自堕落な人には節度を保てと戒める卦ですが、苦労ばかりしている人にはほどほどのところで手を引いたほうがいいというアドバイスにもなります。この3年間はまさに苦節3年でした。
夏瀬杏子さんが易の読み会を開いてくださることになりました。
易の理論を学ぶというより、実占例を一緒に検討する会です。易は一生かけても学び尽くせるものではありませんから、これからは心置きなく易と取り組むことができそうです。