翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

長寿のリスク、所有のリスク

長寿はおめでたいことで、財産は多ければ多いほどいい。
そういう前提の吉凶は今の時代にあてはまらなくなってきています。

かつて高齢者は大切にされ、知恵や経験も重宝されていました。
ネットで調べればたいていのことがわかる時代、高齢者は国の予算を食いつぶしてしまう厄介者扱いされかねません。
老後資金を貯めようにも、自分が何歳まで生きるかわからないので、いくら貯めればいいか見当がつきません。長寿はおめでたいことではなく、リスクです。

そして、空き家が深刻な問題となっています。
家を持つことが日本人の最大の目標だった時代もあったのに。
一戸建ては固定資産税が高額で、マンションだと管理組合が機能しなくて、メンテナンスされなくなる恐れもあります。自分が住むところ以外に不動産投資をするのは、かなりの高リスク。もちろん、株式投資もリスクがありますし、預貯金で保持していてもインフレのリスクがあります。
お金があってもなくても、悩みは尽きません。

社会がこれだけ変わっているのだから、占いの解釈も旧態依然では通用しなくなります。
かつて吉だとされてきたことが凶になり、その逆もあります。

易経を読んでいると、「これってどうなの」と反発したくなることがあります。
反対に、「昔も今も変わらない」と感心することもあり、読み返すたびに何かしらの発見があります。

スナフキンは「なにかを手にいれようと思ったとたんに、めんどうなことがおきる」ので、所有するよりも、詩にしてしまったほうがいいと考えています。