翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

招かれなかった魔女の呪い

運気が低迷している人の部屋は、ほとんどの場合、整理できていなくてぐちゃぐちゃです。
乱雑な部屋に暮らしていても、すばらしい作品を生み出すアーティストがいるかもしれませんが、それは例外中の例外です。
普通の社会生活を送っているなら、部屋の乱れは雑念をもたらし、やりたいことに集中できず、寄り道だらけの人生となります。

子供の頃、昔話や児童文学は私にとって貴重な教訓をもたらしてくれました。
幼い頃に描いたイメージは大人になっても持ち続けるものです。

「人形やぬいぐるみをたくさん部屋に置いている独身女性は縁遠くなる」と言われます。
その理由は、顔のあるものには命が宿るから。心を寄せている部屋の持ち主が恋人を作るのを全力で阻止するからです。

近代科学を知らない未開民族の迷信のようですが、『笠地蔵』『ピノキオ』『幸福な王子』など、昔話や児童文学にはこの手の話がたくさんあります。

そして、衝動買いした物を使うことなく、しまいこんでいるのも凶です。
顔はなくても、あらゆる物には魂が宿っており、持って生まれた使命や役目を果たせないのを悲しまみます。そうした物が発するネガティブな気が、部屋の持ち主の運気を下げます。

ペロー童話『眠り姫』では、王と王妃が王女の誕生に際し、13人の魔女のうち12人を祝宴に招待しました。金のお皿が12枚しかなかったというのが理由です。
招かれなかった魔女は、「王女は15歳になると死ぬ」という呪いをかけます。

招かれなかった呪いは、これほど深いのです。
「かわいい」「便利そう」「お買い得」と、衝動買いしたまま使われることもなくキッチンの戸棚やクローゼットにしまいこまれたままの食器や調理器具、洋服からも呪いの念が出ているのでは。

広告があふれている現代社会では、つい物を買ってしまいます。「お金を払ったんだからいいじゃないか」と思いたいところですが、物に宿っている魂にも思いを馳せると、衝動買いのブレーキとなります。眠り姫みたいに延々と眠らされることになるかもしれませんから。


稚内のロシア料理店のマトリョーシカ。こうして飾られているのは、幸せなことです。