カウチサーフィンでホストしたスイス人のナタリーと村上春樹の話で盛り上がったことから、NHKラジオの『英語で読む村上春樹』を聴き始めました。
「日本の小説なのに、ジュネーブやヤンゴンで読んでもまったく違和感がなく、村上の愛読者とは国籍を超えて話が合う」とナタリー。彼女はフランス語版を読んでいるそうです。
『英語で読む村上春樹』が現在、題材として取り上げているのは、『TVピープル』。
先週はルー・リードの話が出ました。
村上春樹は『ノルウェイの森』が大ベストセラーとなったことから、自分を取り巻く環境が大きく変化し、1年ほど何も書けない時期が続きました。ある日、テレビでルー・リードの『オリジナル・ラッパー』を目にして突然、短編小説が書きたくなり、一気に書き上げたのが『TVピープル』だそうです。
「まるで頭の中のスイッチが入ったかのように」「特に何も考えずにすらすらと、気が付いたときには、書き終えていた」という村上春樹の言葉が紹介されました。
このビデオに登場する、つなぎを着た3人組がTVピープルの原型だそうです。
(私がルー・リードを知ったのは、ボブ・ディラン30周年コンサート。哲学者のような風貌で、隠れた名曲「フット・オブ・プライド」を渋く歌い上げていました。)
誰でも「そうだ、あれをやろう」というスイッチが入る瞬間があります。
村上春樹は小説家だから小説を書くスイッチですが、どんなスイッチかは人それぞれです。
私の場合は「カウチサーフィンのホストを始めよう」「フィンランドに行こう」というスイッチ。この二つのスイッチにより、人生はとてもおもしろくなりました。
さかのぼって考えれば「フリーランスのライターになろう」「占いの学校に行こう」というスイッチにより、収入を得る道を確保できました。
昨年末には、いきなり「日本語教師の資格を取ろう」というスイッチが入り、1月から新宿の学校に通い始めました。
スイッチが入っても、「今は忙しいから無理」「準備ができていない」と動かない人もいます。時間がたつと、せっかく入ったスイッチも無効になってしまいます。
「そんなことを言えるのはあなたがフリーランスだから」と反論されますが、100%始めるのではなくても、何らかの手を打っておくことができます。
いきなり学校に通うのが無理でも、資料を請求したり、見学に行く。関連の書籍を読み、ネットで検索する。具体的な行動を起こすことで、スイッチが入ったことを忘れなくてすみます。
ヘルシンキ大聖堂の広場で催された『トータル・バラライカ・ショー』を目にして激しくスイッチが入り、今もスイッチオンの状態です。