スピードや輸送効率を追求しない三江線はすばらしいと思えるのも、ボブ・ディランの曲をずっと聴いてきたからです。
しかし、長年聴き続けても、意味がよくわからない曲もたくさんあります。
たとえば、「ラブ・マイナス・ゼロ」という不思議なタイトルの曲。
この曲で最も有名なフレーズ。
She knows there's no success like failure
And that failure's no success at all
「失敗のような成功はないし、失敗はまったく成功ではない」?
単なる言葉遊びなのかもしれないけれど、ずっと心に残るフレーズです。
欧米人にとっても、謎の言葉らしく、英語の掲示板に「意味がわからない。誰か説明して」という書き込みを見つけました。
ベストアンサーに選ばれた回答には、「成功より失敗から学ぶことが多かったという意味。トーマス・エジソンのいうように『1万回の失敗は1回の成功より価値がある』、つまり失敗した実験からも得られるものがある」とありましたが、うーん、これはあまりに優等生的ではないでしょうか。ディラン先生は「失敗はまったく成功ではない」と言い切っていますし。
こんなことをぐるぐる考えているとディラン先生から「だから俺の歌詞を分析するのはやめろ!」と叱られ、「もともと何の価値もないんだから」(It ain't worth nothing anyway.)とけむに巻かれてしまいそうです。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20140410/1397094245
そんな想像をしていると、マクベスに出てくる魔女の「きれいはきたない、きたないはきれい」(Fair is foul, and foul is fair.)のように、成功も失敗もどちらも同じようなものという気がしてきました。
易の卦に「山沢損(さんたくそん)」と「風雷益(ふうらいえき)」があります。
損と益は対立する言葉ですが、易では両者は連続しています。
易の講座で「儲かってしかたがないという時に『山沢損』が出て、損ばかり続く時に『風雷益』が出る」と習いました。
成功と失敗、きれいときたない、損と益、すべては一時的なもので、常に変わっていくのでしょう。
People carry roses
Make promises by the hours
My love she laughs like the flowers
Valentines can't buy her