翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

使いこなせない星は、人にも使ってもらえない

「自前で持っていない星は、人から学べ」という天海玉紀先生。

だけど、たとえば牡羊座から学びたければ、どんな牡羊座でもいいかというと、そうでもありません。
同じ牡羊座でも金銀銅、そしてどうしようもない泥レベルがあります。
金の牡羊座はチャレンジ精神あふれるトップランナー。だけどレベルが下がってくると、単なる新しもの好きのおっちょこちょい、せっかくで負けず嫌いと、マイナス面が目立ってきます。

これは四柱推命の十干でも同じこと。

以前、これを書きました。

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ノーベル賞受賞者も犯罪者も、あらゆる人に誕生日があり、すべての人は命式を持っています。
持って生まれた命をどういう形で世間に出しているか。そこが大きな分かれ目です。
優春翠と私はオリンピックのメダルになぞらえて、「この人は金の甲(きのえ)。すばらしく生い茂った大木として世の中の役に立っている」「そこそこがんばっている銀の甲」みたいな話をします。
金銀銅があれば、予選落ちする泥とか錆とか、折れた甲だってあります。

一方、玉紀先生と西洋占星術の話をすると、「星を使いこなしているか」というフレーズが出てきます。
占星術では、太陽星座がその人の表の顔を示すのですが、「獅子座なのに引っ込み思案」、「乙女座なのにだらしない」、「蠍座なのにすぐあきらめる」といった人はたくさんいます。太陽星座を使いこなしていない例です。

あるいは、獅子座の持つゴージャスな存在感が、単なる目立ちたがりで、承認欲求の塊となってしまうこともあります。
水瓶座の「進取の気性」は「変人」ともいえるし、天秤座の「バランス感覚」は「八方美人」、山羊座の「真面目な努力家」は「地味、堅苦しさ」のように、プラスにもマイナスにも表現できます。
占いの原稿を書くときは、このあたりのさじ加減を調整して運気の良しあしを表現します。

風のエレメントを持っていなくて、太陽星座の射手座の私は、最大限の刺激を与えてくれる双子座を常に求めているのですが、ターゲットは軽薄で浮気性の双子座ではなく、風のようなフットワークで知的好奇心旺盛な双子座です。

そして、人に求めるだけではなく、自分の星座も人様に使ってもらえるように、しっかり使い込んで整えておきたいものです。

カウチサーフィンを始めて、私の太陽の射手座(海外志向)、月の魚座(人種や国を越えた一体感)、火星の蟹座(心をこめて旅人を世話する)は強化されました。
特に蟹座。母性愛や身内意識を象徴しますが、価値観を共有できない人は、よそ者として情け容赦なく排除します。
リクエストやプロフィルをしっかり読み込み、誰を受け入れ、誰を断るかをしっかり見極めることで、カウチサーフィンのリスクを回避し、実りある交流ができています。

自分のホロスコープや命式を見ていると、まだ使いこなせていない星座や十干、十二支もたくさんあります。
そして、翌朝二日酔いになるのがわかっていても、つい飲み過ぎるのは魚座の悪いところが出ているから。
占術理論を通して、こうした意識を持てるのはとてもおもしろいことです。