翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

「教室の中にあなたの将来の扉の鍵が隠されている」

毎週、楽しみにしているインターFMの「ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー」。
http://www.interfm.co.jp/bobdylan/

ディラン先生が毎回、一つのテーマを選び、それにちなんだ曲をかけます。先週のテーマは「学校」。
番組の終わりの解説でピーター・バラカンが「僕にとって中学校の時、社会の先生がボブ・ディランだった」というのを聞き、「えっ、私と同じ!」とうれしくなりました。

さて「学校」というテーマ、ロック・ミュージシャンと学校は相性が悪いイメージがありますが、60年代のアメリカではレコード会社が中心となって「ステイ・イン・スクール」というキャンペーンを実施したそうです。
学校できちんと学ぶことの価値を多くのミュージシャンが語っています。

たとえば、カーラ・トーマスの発言。
「教室の中にあなたの将来の扉の鍵が隠されている」

10代に向けた言葉でしょうが、大人になって学校に行くのもいいものです。

私は40代で占いの学校に通いましたが、まさに「将来の扉の鍵」がありました。オールラウンドに記事を書くライターではなく、占いという専門テーマを得たことで、出版不況の中でも仕事を続けられているのですから。そして、占い学校で親友と呼べる存在に出会えたことも大きな収穫です。

フィンランドの旅では、小学校を見学する機会がありました。
カウチサーフィンでホストしてくれた編集者エリカの息子ラウリ君の学校に行き、算数と英語の授業に出席。

授業の合間の休み時間に、ラウリ君を含む男の子3人・女の子3人の合計6人の生徒が先生から指名され、学校を案内してくれました。
先生は同行せず、生徒たちに図工室や体育館の鍵の束を渡したのにはびっくりしました。
「ここが音楽室。歌を歌ったり、楽器を演奏します」といった具合に説明してくれるのですが、おしゃまな女の子が率先して発言すると、無口そうな子も何か追加しようとします。学級委員長風のしっかりした男の子が「あなたも大変ですね。みんな口々に何か言おうとするから」と同情してくれました。

そんなわけで、予定された15分はあっという間に過ぎてしまい、次の英語の時間になりました。
「ねえ、早く教室に戻りましょう」と私は提案したのですが「まだ体育館の用具室や舞台裏を見ていないよ」と子供たちはツアーを続行。

結局、英語の授業に10分ほど遅刻してしまいました。

フィンランドでは小学校3年生から英語を学ぶので、4年目の授業です。
フィンランド人は英語が上手なので、どんな高度なことを学んでいるのかと思いきや、January,February,March…という12ヶ月の歌を歌い、二人一組になって「昨日、何をしたか」を英語で話し合います。20人ちょっとのクラスですから、10組のペアができ、先生が十分見て回れます。次に学校で学んでいる教科の名前を英語で言い、一人ずつ黒板に書かせます。
「あなたの誕生日はいつ?」と質問し、数字と序数を学んでその日の授業はおしまい。ずいぶんゆったりしたカリキュラムでした。

授業の後、英語の先生が私のために10分時間をとってくれ、質問に答えると言ってくれました。
フィンランドでは、学校の先生になるのはとてもむずかしく、医師や弁護士並みの難関といわれています。そんな予備知識があったのでとても緊張してしまいました。

結局、日本とフィンランドの英語教育の違いについて語ったのですが、小学校での目標は「英語で話すことに慣れる」。生徒が飽きないように、歌や会話を取り入れているそうです。
かつてはフィンランドも日本のように読み書き中心の英語教育だったので、今の50代や60代には英会話が苦手な人も多いとのことです。

英語が流暢に話せたら、もっと実のある質疑応答になっていたのではないか。
フィンランド語の挨拶もしっかり練習しておいたらよかった。

いくつになっても、学ぶことに終わりはないと痛感した体験でした。


宮崎アニメが好きなラウリ君の手によるトトロとラピュタのロボット。


エリカ一家と森にピクニックに行った時にラウリ君が作った箱庭。