翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

お土産を買わない旅

旅に出ると、心が舞い上がり、あれこれ買いたくなります。

たとえばフィンランドには、マリメッコイッタラ、アラビアなどの美しいデザインのものがたくさん売っています。日本人向けにフィンランド雑貨ツアーなんてものもあるぐらいです。

円高だし、現地で買うと思い出にもなるし…と財布の紐がゆるみそうになりますが、お土産はなるべく最小限にしたほうがいいと思います。
旅人スナフキンが、お土産物屋でクレジットカードを使っているなんて姿は想像できません。

メーテルリンクの「青い鳥」で、チルチルとミチルはひたすら青い鳥を探します。
「思い出の国」でおじいさんにもらった青い鳥は、黒くなってしまいました。夜の御殿では、たくさんの青い鳥がいて、二人は夢中になってつかまえましたが、すべて死んでしまいました。

旅先のお土産物も、それと同じで、現地ではとても素敵で貴重なものに見えても、日本の狭い部屋では、なんだか違って見えてがっかりします。

フィンランドの北欧デザインの品々も、透明感のある空気の中だからこそ輝くわけで、マリメッコの鮮やかな花柄のバッグを持って東京の地下鉄に乗ると、場違いのように感じました。

旅先では、ショッピングよりも、ひたすら現地の空気を味わうこと。買い物で散財しないで済めば、次の旅行資金も早く貯まります。

お土産を買うお金があるなら、現地のカフェやパブの珈琲代やビール代に回す。思いがけない出会いがあったり、ちょっとしたおしゃべりを楽しんだり。
どうせ買うなら、現地でおいしいと感じた調味料など食品、あるいは消耗品のノートやカード類。
これに気づくのに何十年もかかってしまい、これまで随分、無駄なお金を使ってしまいました。


ヘルシンキのアラビア工場。ショップも併設されていて、結局、スナフキンとスニフのマグカップを買ってしまいました…