今年買ってよかった最大のものが、電気圧力鍋です。
圧力鍋を買おうと思ったのは、11月。裏磐梯から大きな段ボール箱一杯に野菜が送られてきた日です。
5本の大根をどうやって食べきるかを考えるているうちに、圧力鍋がどうしても欲しくなったのです。
数ヶ月前に、地元の秋田居酒屋で食べた肉じゃがが、すばらしくおいしかったので、「どのくらい煮込みますか?」と聞いたら、「圧力鍋で」という答えでした。
圧力鍋を買おうと決意したものの、選ぶのはけっこう大変でした。
シーナ・アイエンガー教授が「選択の科学」で説くように、選択肢が多すぎて決められないのです。
フィスラーやティファールなどの外国製の圧力鍋は1万円以上しますが、日本製なら数千円からあります。しかも各社とも、さまざまなタイプを発売しています。ガスやIHにかける鍋の他にパナソニックは電気式の圧力鍋も出しています。
ネットの掲示板を参考にしようにも、「品質は価格に比例する」「価格ほどに差がない」という声があり、ますます選べなくなってしまいました。
資本主義の豊富な商品がどっと乱入し、どれを選べばよいのかわからず「昔のほうがよかった」と嘆く旧社会主義国家の人の気持ちがよくわかりました。
こんなとき、私は易を立てます。
とりあえず、フィスラー、ティファール、パナソニックの3つのメーカーでそれぞれ立筮しました。
フィスラーは沢火革(たくかかく)の三爻。止水(沢)を火にかけるのですから、料理には適しているようですが、扱いを間違えて吹きこぼれるか、火傷しそうです。
ティファールは地天泰(ちてんたい)の上爻。地天泰自体はいいのですが、上爻は安泰な状態が崩れていくプロセスです。扱いに失敗しそうです。伏しているのは山天大蓄。結局、使わなくなって死蔵する恐れもあり。
パナソニックは地山謙(ちさんけん)の三爻。一見、料理とは関係なさそうなのですが、「労謙ス」の爻辞がすっと浮かびました。卦の中で唯一の陽爻として、黙々と働くイメージです。陰の中に一つだけ存在するある陽が三爻です。陽をもって硬いもの、陰をもって柔らかいものと見ると、圧力鍋で素材を煮込んで柔らかくするという用途に最もぴったり来ます。「これなら活用できる」と思いました。
爻辞はとても含蓄に富んでいますが、得られた卦の爻辞だけでは判断しません。だいたい圧力鍋なんてものは易経が成立した時代には存在しなかったのですから、占的のすべてを爻辞がカバーすることはありません。爻辞も参考にしながら、算木を見つめて、占的と得卦の関係を推理していきます。
よく考えたら、圧力がかかったらタイマーで時間を計って火力を調整するなんて、かなりの確率で失敗しそうです。ワイングラス片手にほろよい気分で料理することも多いのですきから。
その点、パナソニックならマイコン制御ですから、炊飯器と同じです。材料を入れて時間をセットしてスイッチを入れれば、後は放置するだけ。
野菜だけでなく、豆を煮たり、玄米を炊いたり、大活躍です。
寒い日は、じっくり煮込んだ一品は重宝します。電気圧力鍋は、日々、労謙してくれています。
パナソニック 電気圧力鍋 マイコン式 3.7L ノーブルシャンパン SR-P37-N
- 出版社/メーカー: パナソニック(Panasonic)
- 発売日: 2009/09/10
- メディア: ホーム&キッチン
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