翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

風水都市シンガポール

風水の黒門先生によると、水の流れはお金の流れに通じます。
農耕社会だった中国では、河川を使って作物や生活必需品を交易していました。川の流れをうまく使った人が富を得たのですから、風水では水をとても重要視します。

風水の開運術の一つに、その人にとって財を表す方位に動く水を置くという方法があります。その水は、止まった水ではなく、動く水でなければなりません。
一般家庭なら金魚鉢になるし、風水師が設計するビルなら、人工的な滝や噴水を配置します。シンガポールのビル街では、いたるところで流れている水を目にしました。

シンガポールで観光船に乗りリバークルージングをすれば、水の流れが富につながっていったこの国の歴史を強く実感できます。

かつては素朴な漁村だったシンガポールが一大金融都市として発展を遂げたのは、水の利がよかったからです。
中国から渡ってきた福建商人たちは、川のほとりに住み着きました。そして、プライベートバンキングで資金を調達しながら商品をやりとりし、ビジネスの規模を広げていきました。屋根が高ければ高いほど成功を示すので、少しでも大きな建物を建てようと骨身を惜しまず働きました。

そうした積み重ねにより、見上げるような高層ビルが立ち並ぶ金融街ができあがっていったのです。
そして現在、シンガポール川ほとりのボート・キー、クラーク・キー(キー:quayとは波止場の意)にはしゃれたレストランやバーが並んでいます。
短い滞在だったので、酒場のハシゴをしても、行けなかった店がたくさんあります。いつか再訪して、リバーサイドのテラス席でグラスを傾けたいものです。