翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

外国語としての日本語

「さあ、あなたの暮らしぶりを話して」

ミステリーの女王として名高いアガサ・クリスティーは二度の結婚をしています。 最初の結婚は夫に浮気されてさんざんな結果に終わりますが、二度目は14歳年下の考古学者と結ばれました。 お相手のマックス・マローワンが結婚を決意したエピソード、自分もか…

地獄があるから、天国がある

毎年4月に思い出すのは、「これから延々と学校に通わなくてはいけない」という絶望感です。私は学校が大嫌いでした。みんなと一緒に同じことをやるのが嫌い。つまらない教科書で勉強するより、好きな本を読んでいたい。 そんなひねくれた子供だった私が、外…

ブルーにこんがらがった一年間

ボブ・ディランの渋谷オーチャードホールのコンサートからちょうど一年。忘れもしないコンサートの夜。チケットはかなり前に予約したもので、当日はカウチサーフィンでスペイン人作家をホストしているし、翌日は日本語学校の授業という切羽詰まった夜でした…

聞き手、読み手がいて、物語が成立する

2週にわたって受講した天海玉紀先生のインナーチャイルドカード講座。満足感が大きいのは、自分の物語を語ると同時に、人の物語も聞けたからです。 聞き手や読み手のいない物語は、宙に浮いたままでどこにも行きません。 私がインナーチャイルドカードを自…

インナーチャイルドカードが告げる東京オリンピックまでの仕事運

2週にわたる天海玉紀先生のインナーチャイルドカード講座、昨夜が2回目でした。1枚1枚のカードから、どんな物語が飛び出すのか、心が躍る花冷えの夜でした。 講座の終わりに「現在(テーマ)、課題、未来」の3枚のカードを引きました。 問いは仕事運に…

忘却のミダス王

このところ、落ち着かない日々が続いています。 ライター業では2018年の運勢本の原稿が山場を迎え、週刊誌と月刊誌の締め切りが重なり、そんな時に限って日本語学校の代講を頼まれます。 自分のコマをこなすだけで精一杯なので代講は断りたいのですが、私の…

「物語欲」を満たす

「インナーチャイルドカード」を知ったのは、天海玉紀先生を通してです。タロットカードに似ているようでいて、決定的にちがうのは、カードを見て語るのは占い師ではなく、相談者であることです。人間には「物語欲」があります。単に生きるのではなく、そこ…

沈黙の受容

去年の春から日本語教師となり、ほぼ一年が過ぎようとしています。天童春樹先生に立てていただいた水雷屯の五爻にはげまされましたが、教師としてはまだまだ未熟です。最大の欠点は、学生に考える時間を十分与えず、答えを早く言い過ぎるところ。作文のクラ…

水雷屯の日本語教師

易64卦のなかで水雷屯(すいらいちゅん)・坎為水(かんいすい)・水山蹇(すいざんけん)・沢水困(たくすいこん)は『四難卦』と呼ばれています。 悩み苦しんでいるときに四難卦が出やすいのですが、易経は「変化の書」ですから、そのうち事態は打開されま…

沢に水なきは困なり

夏瀬杏子さんの易のレッスンをするようになり、自分の中でも易を学びたいという気持ちが再燃しています。そして、外国人に日本語を教えていると、こちらが教わることがたくさんあります。 教えることと学ぶことは表裏一体です。外国人に漢字を教えるときは、…

どこまでが仕事でどこから趣味?

仕事は仕事、趣味は趣味ときっちりラインを引く人もいれば、仕事と趣味が混然一体となっている人もいます。学生時代だったら、勉強と趣味に置き換えられます。 たとえば、英語。 大学受験で英語は最も重要な科目だから、英語は趣味ではなく勉強のはずですが…

人生はロールプレイング

夏瀬杏子さんの交換日記のようなブログです。http://annco.blog.jp/archives/1064085876.html お金は寂しがり屋でお金持ちの所に集まるとよく聞きますが、同様に幸運のような類も寂しがり屋で幸運そうな人の所に集まりたがっている気がどうしてもする私。フ…

フランス人の中二病、パナマ人の百人一首

私が教えている日本語学校は、日本語を身につけて仕事をしたいというより、アニメや漫画、ゲームで日本に興味を持ったという学生が大半です。作文のクラスでは、共通のテーマについて、それぞれにレベルに応じて書くことにしています。自己紹介から始まり、…

しょぼい運でもそれなりに生きていく

9歳で祖母の祖国である日本に来て、才能を大きく開花させた野村達夫さんは、逆境をプラスに転じる力の持ち主です。 「野村さんのようにがんばって」と言われても、そうはいかない人が大半です。日本語学校で外国人に日本語を教えていると、語学習得の才能は…

艱難汝を…

先週の朝日新聞土曜版にポケモンGoのディレクター、野村達夫さんが登場していました。日本語学校で教える際、ポケモンGoにはさんざんお世話になりました。 趣味や好きなことを話題にするとき、教科書通りに読書や映画を例に出すのではなく、ポケモンGo…

文法は土星、作文は木星

土星期が山羊座だから、外国人とちゃらちゃら遊ぶだけでなく、日本語を教えるという大義名分を求めたというのが前回の話。なんとかもぐりこんだ日本語学校では、ライターが本業というわけで作文のクラスを担当することに。3ヶ月目にしてディレクターが交代…

山羊座の土星期を生きる

今は東洋占術の原稿を書くことが多いのですが、かつては西洋占星術の記事もよく書いていました。一般的な占星術の記事では、太陽の12星座のみを取り上げることが多いのですが、それだけでは広がりがないので、占い専門誌では火星や金星、月の星座について書…

妖精のゴッドマザー

12月最後の最後の日本語学校の授業後、ブラジル人学生のイザベルから声をかけられました。 「一人で年を越すんですが、どこかいいところはありませんか」ホームステイの学生たちは、ホストファミリーと「レッド&ホワイト・ソングショー」を見て、「イヤーエ…

人生すべて潜入取材

ユニクロで潜入取材していた横田増生氏が解雇を通知されました。 横田氏の扱い次第で、ユニクロは懐の深いところを見せられるチャンスだったかもしれないのに、そうもいかなかったのでしょう。先週(12月1日発売)の週刊文春のルポ「ユニクロ潜入一年」を読…

言葉にして気持ちを伝えよう

日本語学校の作文クラスで教えていると、学生の書いた日本語に心打たれることがよくあります。自己紹介というテーマで、自分の名前についても書かせました。アメリカ人のブルスの作文。 母は私をブルスと名付けました。英語でガチョウはグースです。私は母に…

名前をみつける

日本語学校の作文授業では、クラス全体に一つのテーマを与えてそれぞれのレベルに応じて日本語を書くようにしています。 6週間で1サイクルで、最初は自己紹介から。 初心者は、出身国や年齢、誕生日。もう少しレベルが上がると、自分の名前について書きま…

現代版浦島太郎

日本語学校の作文のクラスで教えています。 大学や専門学校への入学を目指す日本語学校では、論文やレポートの書き方を指導するのでしょうが、私が教えている学校は短期の語学留学が大半で、アニメや漫画を通して日本に興味を持ったという学生も多いので、で…

記憶力より想像力

松江の小泉八雲記念館では、ラフカディオ・ハーンの生涯にさまざまな側面からスポットライトを当てています。今回は、英語教師としてのハーンを中心に見て回りました。ハーンが英語教師になったのは、日本で食べていくための方便だったのではないかと漠然と…

フランス人の登竜門

日本語教師養成講座に通っていた頃、文型の導入を練習するのも大切だけど、日本オタクに向けて漫画喫茶で一通りの基礎知識を得るほうが重要ではないかと考えたものです。 日本語学校の職員室では、「授業準備が忙しいので、漫画やゲームにうつつを抜かしてい…

「あなたの言葉でなければ、いけません」

小泉八雲ゆかりの松江の地を訪ねてみたいと思い立ったのは、『怪談』を好む外国人学生が多いからです。妖怪や幽霊はおそろしいけれど、心惹かれるものです。自国の怪談と比べるのも興味深いもの。 日本のお話そのままでなく、小泉八雲というフィルターを通す…

伸び縮みする時間

ようやく9月が終わります。 「ようやく」と書いたのは、3月から長い長い半年間だったからです。3月から日本語教師として教壇に立つようになり、「なんでこんな難儀なことを始めたのだろうか」と過去の自分の決断を責めてばかりいました。失敗の連続で、学…

言葉の宝石

3月から日本語教師として教壇に立っています。 経験もなく、下手くそな授業で学生には本当に申し訳ないことばかり。やめたほうがいいんじゃないかと思うことの連続ですが、「学期途中でやめるのはまずい」「後任の先生への引継ぎも大変だろう」と続けている…

「出藍の誉れ」続出

日本語を学ぶ外国人学生が受験する日本語能力試験(JLPT)。 7月の試験の結果が出て、「合格した」という嬉しい知らせが世界各地から届いています。「先生のおかげです」とうれしい言葉を添えられていましたが、N3(日常的な場面で使われる日本語をあ…

いつから余生?

「忙しい自慢」をするのは格好のいいものではありませんが、この7月は超多忙でした。一つには、教えている日本語学校の短期留学生が夏休みで激増したこと。他の先生方も手一杯になり、代講を頼まれることがあったからです。中上級のクラスは、文法を教える…

「なんでやってんねん!!」

毎朝、新聞を読むのは高齢者の習慣になりつつありますが、活字から入る刺激が目覚ましになるのでやめられません。土曜日の朝日新聞テレビ欄に陣内智則の記事が出ていました。 映像や音声にツッコミを入れていく独自のネタが動画サイトで話題になり、韓国公演…