翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

2013-01-01から1年間の記事一覧

赤いハンモックと黒い猫

カウチサーフィンの醍醐味は、どんな寝床で寝るか、その日になるまでわからないことです。フィンランド到着初日は時差ぼけ解消のため、ヘルシンキ中央駅近くのホテルに泊まりました。Booking.comで予約したので、写真や口コミでだいたいどんなところか想像で…

一日が一週間に感じられる旅

二週間のフィンランド旅行から帰国しました。カウチサーフィンでホストしたフィンランド人を中心に、会いたい人すべてに会えました。一人旅ですが、一人で食事をしたのは、時差調整のためにホテルに宿泊した最初の夜ぐらいです。 「シャイで内向的なフィンラ…

カウチサーファーは現代の宮廷道化師

海外旅行先で、無料で人の家に宿まる。 カウチサーフィンを一言で紹介するとこういうことになります。「そんなうまい話があるわけがない」というのが一般的な反応。 「ただほど高いものはない、危険だからやめたほうがいい」という声も聞きます。たしかにお…

「去る者は日々に疎し」とならないFacebook

物心ついたときからネットがあったというデジタル・ネイティブでない限り、ネットとの付き合い方は試行錯誤の連続です。私は書く仕事を始めたのは、30年前の広告業界。コピーライターをやっていました。 右も左もわからない新人時代、出社して最初にやること…

「私の墓には『生れてはみたけれど』と刻みます」

フィンランド旅行の準備として、アキ・カウリスマキと宮崎駿、そして小津安二郎の作品を観ています。「カウリスマキ、小津を語る」の最後はこう締めくくられます。 The epitaph on my grave will be "I was born, but". (私の墓碑銘は「生れてはみたけれど…

ネットの時代だからこそ、実際に人と会いたい

私のメインの仕事は、原稿書きなので、ほとんど引きこもりの生活を送っています。10年以上前は、取材に出たり、入稿や校正のために編集部に行っていました。しかし、占いや開運の記事には取材の必要がありませんし、原稿はメールで送ります。もともと話すよ…

ネタを回したら、次は化学反応を待つ

The meeting of two personalities is like the contact of two chemical substances: if there is any reaction, both are transformed. 二つの人格の出会いは化学物質の接触のようなものだ。 なんらかの反応があれば両者とも変化する。ユングの言葉です。…

チャンスという回転寿司のマナー

カジケンブログに「チャンスと回転寿司」という人気エントリーがあります。 http://kajikenblog.com/?p=1347IT系のイベントやスタートアップの支援などをされている奥田浩美さんという方のたとえ話の紹介です。 チャンスのほとんどは、人を介してやってく…

ヨレ様はどこへ行った

レニングラード・カウボーイズのボーカル、ヨレ・マルヤランタにハマって、フィンランドおたくと化したのがちょうど去年の今頃です。 d.hatena.ne.jp 中野スオミ教会のフィンランド語教室に通い始め、カウチサーフィンでフィンランド人旅行者をホスト。気が…

ハーメンリンナでアイスクリームを食べる日

フィンランド人のヨルマをホストしたのは、彼がハーメンリンナに住んでいるから。 村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』では、多崎つくるは高校時代の友人・クロに会うためにハーメリンナに向かいます。クロはフィンランド人男性と結婚し…

ネットカフェは書斎、コンビニは冷蔵庫、スポーツクラブは浴室

フィンランド人旅行者のヨルマは先週木曜日にやってきました。 あいにくその日は、7時からの飲み会の予定が入っています。一次会だけで帰るとしても、帰宅は9時半になってしまう…。そこで思いついたのが、ネットカフェです。 ヨルマにはお昼にいったん自宅…

ネット上だけで信用を得られるフィンランド人

こう暑くてはフィンランド人旅行者なんて来ないだろうと思っていたら、カウチリクエストが舞い込みました。ヨルマという青年。きちんとした文章だし、写真もまじめそう。でも、今回の日本旅行で初めてカウチサーフィンを利用するというビギナーです。 ホスト…

阿佐ヶ谷、出雲、ミャンマー、そして七夕占いイベント

メールが普及していない時代には、外で仕事をすることも多く、そのまま飲みに行くこともありましたが、今は入稿も校了もオンラインで済ませることが多いので、仕事をしているといっても引きこもり状態が続きます。 「そのうち飲みに行きましょう」なんていわ…

一輪の花が世界を変える

風水の原稿では、部屋に花や観葉植物を飾って開運するというテーマをよく書きます。風水が生まれた古代中国は農耕社会ですから、植物(野菜や米)を育てることが蓄財につながりました。 現代の日本では、農業に従事している人は少数派となっていますが、財と…

カウチサーフィンQAその2(待ち合わせ、食事、観光)

カウチサーファーとどこで待ち合わせるか。 たいていの外国人は成田空港が東京都心とかなり離れていることを実感としてわかっていません。 携帯電話の契約や両替にも時間がかかります。 「朝、成田に着くからランチを」と約束して、3時過ぎになったこともあ…

カウチサーフィンQAその1(サーファーの選び方)

カウチサーフィンについてよく質問されることをまとめてみました。最もよく言われるのは「外国人を泊めるのには抵抗があるけれど、会ってみるのはおもしろそう」というものです。カウチサーフィンでは「カウチあり」「カウチあるかも」「コーヒー・オア・ド…

「旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない」

JALカード会員誌AGORAに村上春樹がフィンランドについて書いていると知り合いの編集者が教えてくれました。 うちには毎月AGORAが届いているのですが、うっかり見落とすところでした。村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年…

ネットの向こう側の人をリアルに想像できるか

旅行の準備で最も頭を悩ませるのが持っていく本の選択です。 フィンランド旅行にはkindle HDを持参し、本は電子書籍にすることにしました。IT大国のフィンランドではネットがつながりやすいので、kindle HDで検索やメールの送受信をすることにし、日本との…

「結婚したカップルの44%が離婚する」とディラン先生は語る

ボブ・ディランがDJを務めるラジオ番組が、この4月から日本でも聞けるようになりました(インターFMで木曜夜8時、再放送は日曜夜10時)。タイトルは、Bob Dylan's Theme Time Radio Hour。「テーマ・タイム」と名付けられた通り「野球」「楽器」「父親…

となりのトトロとムーミントロール

フィンランド行きを決めて、まず着手したのは、宮崎駿の映画を観ること。日本を訪れるフィンランド人は宮崎ファンが多いのです。 ヘルシンキでお世話になる予定の編集者エリカもその一人。なぜだか日本的なものに惹かれ、ヘルシンキ大学で日本語を学んだそう…

旅で運をぐるぐる回す

「そのうちフィンランドに行く」とカウチサーフィンのゲストに告げていたら「いつ来るの?」「私はしばらく日本に行けないから、日本的なものを感じるために、あなたに早く来てほしい」といった催促が来るようになりました。 こんなに待ってくれている人がい…

八ヶ岳のフィンランド村で夏至を迎える

レニングラード・カウボーイズのヨレ・マルヤランタにはまり、ひたすらフィンランド関連のものを追い求めて1年になろうとしています。ヨレ様ファンつながりで知り合ったキョウコさんが、年初から「夏至にフィンランドに行こう」と誘ってくれていて、それも…

カーストから抜け出した後、何をするか

アン姉さんはフィンランドの恵まれた休暇制度を活用し、毎年4週間から6週間の旅に出て、2年前には1年間かけて世界一周をしました。新聞記者という枠におさまらず、さまざまな経験を積んでいるのです。このところ日本では、原稿書きでは食べていけないと…

カウチサーフィンは、グローバル「お接待」

四国八十八ヶ所巡りを終えたアン姉さんをホストして、じっくりと話を聞きました。とあるジャーナリストが、「アメリカのパーティで、レストルームでメモを取っているのは同業者」と書いていました。社交の場で紙とペンを取り出すのは無粋なこととされている…

フィンランドでは、勤続10年で有休1年

ヨレ・マルヤランタのファン仲間のキョウコさんから「昨年、ホストしたフィンランド人ライターのアンネと会うので、一緒にどうか」と連絡をもらいました。 「同業だから話が合うんじゃないか」とのこと。新聞記者だそうです。同じライターといっても、組織に…

幸運なカウチサーファーを招きたい

カウチサーフィンをやっている理由は人それぞれです。 日本だと英会話上達、国際交流などが一般的でしょうか。「フィンランド人の友達を作りたい」が私の表向きの理由。もうひとつ目指しているのは、開運です。風水で最も重視されるのは、玄関です。 玄関を…

トム・ティット・トットとボブ・ディラン

姓名判断の講座に半年ほど通ったことがあります。画数だけで吉凶を論じるのではなく、生年月日と合わせて見る手法を習いました。 「名前は洋服のようなもので、どんなに高級な服でもサイズが合ってなかったり似合わないなら、いい服とは言えない」というわけ…

友達を見れば、その人がわかる

カウチサーフィンについて書き始めると、止まらなくなります。マイヤちゃんとスザンヌは同い年の26歳。 直接は面識がないのですが、マイヤちゃんの友達の兄弟がスザンヌの同僚ということが後にわかりました。ヘルシンキ市の人口は約60万人。周辺都市と合わせ…

あなたには、もっと合う人が見つかるはずだから

今年の2月から本格的にカウチサーフィンを始め、このブログは占い師の日記というよりカウチサーフィン体験記となっています。 外国人旅行者を自宅に泊めるのですから、けっこう濃い体験です。やり方によっては、日本人だけの団体で海外の観光名所を巡るパッ…

カウチサーフィンで運気を貯金する

昨年の5月にカウチサーフィンでお世話したイギリス人紳士からメールが来ました。このときはカウチは提供していなくて、「コーヒーのみ」のステータスでした。「日本的な体験を」というリクエストだったので、中学校対抗の剣道大会にご案内し、帰国前日の夜…