翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。

笠地蔵と『シンドラーのリスト』

ケネス田中先生の仏教英語講座では、子供向けの英語漫画も教材の一つでした。

www.bdk.or.jp

 

愛犬を亡くした小学生の女の子が仏教に目覚める話。最後のシーンでは道端のお地蔵様に手を合わし、お供えされている新鮮な花や水を見て、すべての人が支え合っている(interdependent)ことに気付きます。

 

お地蔵様と言えば笠地蔵。年末のNHKのラジオ英会話楽習でも取り上げられました。英語で聞くととても新鮮です。

 

笠地蔵で最も感動するのは、おばあさんの態度。

お正月のおもちさえ買えない貧しい暮らし。年末の市で売るために笠を作って夫が市場に売りに行きます。手ぶらで帰ってきたので売れたのかと思いきや、吹雪にさらされているお地蔵様にかぶせたというのです。しかも笠が5つしかなかったため、六体目のお地蔵様のために、自分の手ぬぐいさえ差し出してきたとは。

普通の妻なら「甲斐性なし!」と悪態をつくのが普通なのに、おばあさんは「それはいいことをしました」と夫をほめます。大みそかの夕餉は漬物と白湯というのも泣かせます。

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旭川の歩道は除雪されていて雪に慣れない旅行者も安心ですが、銅像の肩のあたりはちょっと寒そう。

 

笠地蔵との対照で思い出すのが映画『シンドラーのリスト』のシーン。

強制収容所に送られる前のヨーロッパのユダヤ人。家を没収され、とにかく住むところを探します。やっと見つけた場所に落ち着こうとした夫妻。かなり裕福な生活を送っていたのでしょう、「こんな狭いところしか見つけられないなんて!」と夫に悪態をつきます。しかも次から次へと、同胞のユダヤ人が「シャローム」と挨拶して入って来ました。

 

ユダヤ人の妻はけっこうわがままな人が多いそうです。

JAPは日本人の蔑称だけでなく"Jewish American Princess"の略。既婚のユダヤ人女性はお姫様のようにあれこれ要求するのだとか。

 

アメリカ人じゃなくても『シンドラーのリスト』で夫に悪態をつくユダヤ人妻はプリンセスのよう。

仮住まいは見つけたものの、その後には強制収容所の地獄が待ち受けているのですが、こんな妻を持った夫は結婚後ずっと地獄を生きてきたのではないかと想像します。

お正月のおもちが買えない極貧生活でも、配偶者からののしられる地獄よりずっとましです。

 

戦争や災害など、個人の力ではどうしようもない地獄がある一方で、家庭や職場、学校ででモンスターのような個人が作り出す地獄もあります。

地獄を作る側になりたくないし、近しい誰かによって地獄となったら、全力で逃げ出す手段を探すしかありません。