友永ヨーガ学院の通い断食がなんとか終了し、復食期間に入っています。
断食が終わった解放感から一気に食べ過ぎないようにするのが一苦労。ともすれば食べ物のことばかり考えがちなので、映画や読書で気を紛らわせています。
食事シーンが少なそうなものを選んで観たのがこの2本。
アメリカの最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)の若き日々の奮闘を描いた『ビリーブ 未来への大逆転』と、実在のRBGへのインタビュー映画。
断食の空腹を忘れるほど、夢中になって観ました。
個人的な好みはあるだろうけど、断然面白かったのが後者のドキュメンタリー版。
RBGは「私が現在こうあるのは、すべてアメリカのおかげ」と語ります。
1933年生まれで、父はユダヤ系アメリカ人一世。もし父がアメリカに移民せず、ヨーロッパにとどまっていれば、彼女はこの世界にいなかったでしょう。強制収容所では労働力にならない幼児は到着したその日にガス室送りでしたから。
アメリカに移民してきたユダヤ系は、ナチスによるホロコーストにさぞかし震撼したことでしょう。RBGが自分の権利を守るために法律を学んだ動機がよくわかります。
日本では最高裁の裁判官の国民審議は選挙のついでに〇か×をつけるかで、よくわからないからそのまま出す人が多いのではないのでしょうか。
アメリカの最高裁は大統領によって任命されます。そして任期は終身制。大統領がホワイトハウスを去っても、辞任か死去まで延々と続きます。
大統領にとっては、どんな人物を任命するかが自らの思想信条の表明であり、後世の評価を左右します。
1993年、RBGを任命したのはビル・クリントン。以来、アメリカが誇る自由と平等を守るために、右翼系の判決が下りるたびに反対表明を出し、アメリカの若年層から圧倒的な支持を集めています。
RBGをここまでの人物に押し上げたのは彼女の夫です。
『君がアメリカの法曹界の階段を駆け上っていくのが何よりうれしかった』と彼女に書き残してこの世を去りました。彼は若くしてがんを発病し、RBGが懸命に支えてくれたおかげでハーバードのロースクルーを卒業し、ニューヨークで弁護士として成功を収めました。そのお返しに、RBGの最高裁判事就任を応援し、ニューヨークの職を辞し、ワシントンDCに移っています。
RBGの夫選びの決め手になったのは「女性の知性をおそれないこと」。
彼女の青春時代は、女性は知性を隠し、男性よりお馬鹿なふりをすることで選んでもらっていたのです。
ビル・クリントンも最強の妻を持つ夫。オバマ大統領の奥さんも法律事務所の元上司。そしてトランプ大統領は…。
願わくば、女性の知性をおそれないどころか、誇りに思う男性が増えてくれますように。