翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。

それなりの器がなければ陰徳を積めない

女性誌の原稿を書くのを本業としているうちに、占いの原稿の依頼が多くなってきたので、占い学校に通うことにしました。

 

西洋占星術なら独学でなんとかなりそうでしたが、東洋占術は陰陽五行の基礎から学ぶ必要がありそうだったので。ちょうど取材していた有名占い師が講師を務めている学校があり、熱心な学生が多いと聞き、すぐに申し込みました。3か月ごとに入学できるシステムでした。

 

不幸な占い師、貧乏な占い師が多いことからも、占いの理論さえわかれば開運するわけではありません。

授業では四柱推命や易、九星気学、風水のロジックを学びましたが、興味深かったのは占いにまつわるよもやま話。

「香港や台湾の大富豪が巨額な寄付をするのは、財が壊れる年が巡ってきた時。あらかじめお金を減らしておけば、それ以上損をしないですむから」

「しかし、本当に効果があるのは陰徳。運を上げたかったら、誰にも知られないように匿名で寄付することだ」

 

秦の始皇帝の父ともいわれる呂不韋の生涯を描いた『奇貨居くべし』に占いと陰徳の話が出てきます。

 

 

奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)

奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)

 

 

若い頃、人相観の唐挙に「豪商になる」と予言され、やることなすことすべてうまくいき、巨財を成した商人の西氏。

再び唐挙に観てもらったところ、家運が傾くと予言されます。それを防ぐためには、唐挙が家に滞在していることを公言し、親戚、知人はもとより赤の他人の鑑定料もすべて商人が払うよういに言われます。

王侯貴族の鑑定もする唐挙ですから、見料はかなり高額。100人来たらいくら払わなければならないのか…。かなりの損になるけれど、沈没するよりはましだと考え、西氏は承知します。

すると唐挙は「見料は西氏が出したことを吹聴してはいけない」と付け加えます。

大金を出した上にその理由も人に言えないとは、なんとも苦しいことだけど、西氏は受け入れます。

そのやり取りを見ていた若き呂不韋は「陰徳こそ福を招く」と気づきます。

だまっておこなう善行こそ、利を超えた利になる。それを唐挙は西氏におしえているのであろう。西家はいま栄えに栄えており、ここでの損はすぐにとりかえせる。が、家運がかたむいてからの損は致命傷になる。

 

「やらない善よりやる偽善」という言葉がありますが、売名行為と思われても、華々しくチャリティー活動をしたり巨額のお金を寄付するのは、しないよりましでしょう。

 

陰徳が積めるのは、それだけの器を持った人だけだと思います。

ささやかでも陰徳が積めないものか…。こう書いてしまうことこそ、陰徳を積む器でない者である証です。

 

f:id:bob0524:20170909125143j:plain