翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

地獄があるから、天国がある

毎年4月に思い出すのは、「これから延々と学校に通わなくてはいけない」という絶望感です。

私は学校が大嫌いでした。みんなと一緒に同じことをやるのが嫌い。つまらない教科書で勉強するより、好きな本を読んでいたい。
そんなひねくれた子供だった私が、外国人相手とはいえ、教師になってしまいました。向いていないから辞めたいと何度も思ったのですが、成り行きでずるずる続けています。

そもそも、毎日決められた時間に会社通うのがいやだから、自由業になったのです。
フリーランスのライターという職業は、「みんな同じ」じゃなくて、人とは違うおもしろい原稿を書くことが求められます。それが性に合ってずっと続けてきました。
ネットが普及していなかった時代は、取材に飛び回ってぎりぎりに原稿を書き上げて終電で編集部に出向き、入稿してタクシーで明け方に帰宅という生活を続けていたのですが、そのうちメールで入稿できるようになり、占い原稿がメインになると取材に出歩くことも少なくなりました。

自宅にこもって、適度に仕事をして、好きな本を読んで気分転換にスポーツクラブ。理想の生活です。

それなのに、何を血迷ったのか、副業で日本語教師を始めてしまいました。

教師という仕事は、必ず授業時間にその場にいないといけません。電車が遅れることもあるし、授業準備もあるのでゆとりをもって学校に着くようにしています。朝のシフトに入ると、寝坊して遅れるのが怖くて、早朝に目が覚めます。学生は遅刻できても、教師の遅刻なんてもってのほかです。

私が望んでいたのと対極の生活です。日曜日の夜になると「明日から学校か…」と暗い気持ちになります。「やめたら、どんなに楽になるか。いっそのことやめてしまおう」と何万回も思いました。

それでも続けているのは、「今週はこれで終わり」という解放感が何物にも替えがたい大きな喜びだからです。シフトを週の前半に集中させているので、水曜日の夜は最高の気分です。

ジョージ・バーナード・ショーの名言。
A perpetual holiday is a good working definition of hell.
永遠の休日とは、地獄の実際的な定義である。

地獄がなかったら天国もなくなるのでは。
日本語学校をやめて楽になったら、幸せになれるかというと、ヒマを持て余して余計なことに頭を突っ込んで社会からつまはじきにされたり、昼間から飲んだくれてアルコール依存症になるのがオチです。

休日を楽しむために、あえて平日はハードに過ごしてみる。
毎週、地獄と天国を行ったり来たりの日々です。


天国といえばここ、横須賀中央の昼から飲める居酒屋です。残念ながら読みは「てんくに」ですが、三浦半島に遊びに行った帰りに寄るのが何よりの楽しみです。
のれんをくぐるとボブ・ディランの名曲「天国の扉」が頭の中で鳴り響きます。