翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

年を取ることのメリット

いつまでも若く、活躍することが求められ、年を取るのがむずかしくなった時代。
加齢は悪いことであり、できるだけ遅らせたいと思いがちですが、世の中には年を取っていたほうがいい職業もあります。

たとえば占い師。ある程度の年齢を重ねている占い師が信頼されます。
霊感系なら若くてもいいのかもしれませんが、占い師が自分よりずっと年下だと、心もとなく思われやすいもの。ついでにいえば、占い師はふっくらとした体形のほうが好まれます。包容力があるイメージだからでしょう。
アンチエイジングとダイエットという女性誌の二大テーマから占い師は解放されています。

そして、教師という仕事も、年を取っているほうが有利です。
私は50代半ばにして新人日本語教師になったわけですが、自分から言わなければ、学生はかなりのベテランの先生だと誤解します。
思えば最初に受け持ったクラスでは馬鹿正直に「教えるのが初めてです」と告白したのは失敗でした。学生から「大丈夫だろうか」という猜疑の目を向けられてしまいました。人相手の商売は、ある程度のはったりも必要です。

職業上だけでなく、探せばもっと年を取ることのメリットがあります。
若い頃は、何かを成し遂げなくてはいけないという強迫観念に押しつぶされそうでした。30代になるとともにフリーランスのライターになり、何かを成し遂げる以前に、仕事が途絶えて食べていけなくなるのではないかという恐怖も抱えていました。

それから四半世紀がたち、そろそろ仕事がなくなっても別にいいかという気持ちになってきました。まったくゼロになったらさすがに困りますが、若い頃のような貪欲さは薄れています。

東洋占術と出会ったことも、加齢を受け入れる助けになりました。四柱推命では10年ごとに運が切り替わるのですが、私は今年から新しい運気に入ります。
これまでの20年は正財、偏財というまさに財を求める時期だったのですが、今年からの10年は傷官が巡ってきます。傷官は文字通り、官を傷つけます。地位や名誉を求めるのはもう卒業して、気ままに生きる10年になるはずです。