翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

「選んだ孤独はよい孤独」

朝日新聞の土曜版に、漫画のサザエさんを通して昔の世相を紹介するコーナーがあります。
都市化と核家族化が進んだ1960年代半ば、「高齢者の孤独」が大きな社会問題になったとあります。

それから半世紀、日本の高齢化は一気に進んでいます。
記事には、多くの高齢患者を診てきた医師の久坂部羊さんが「老いるのが難しくなった時代」とコメントしています。老いても活躍するスーパー高齢者がもてはやされる一方、「年相応に老いを受け入れる覚悟を持ちにくくなった面もないでしょうか」。
そして「『満足する力』が一人ひとりの生の質を決める」とのこと。

年を取っても元気で活躍し、豊かな人間関係を楽しめたらいいのですが、現実は加齢によってできなくなることが多くなり、人付き合いも限定されていきます。

それを寂しいと感じて落ち込むか、当たり前のこととして受け入れるか。久坂部さんのいう「満足する力」が不足していると、世の中を恨み、嫌われる老人になっていくのでしょう。

同じく朝日新聞の一面のコラム「折々の言葉」で知ったフランスの言い習わし。
『選んだ孤独はよい孤独』

人々から見捨てられていると感じることと、世評を気にせず自己のうちに深く沈潜することとは異なる。

孤独を選べることこそ、高齢者の特権ではないでしょうか。
もちろん、若くても孤独を選べますが、学校では友達のいない子は問題視されますし、会社ではそれなりの付き合いをしなくてはいけません。社会から降りかけた高齢者なら、孤独を選ぶのも個人の自由です。

50代半ばの私は、今はまだ社会から求められることもあり仕事を続けています。仕事をしていれば、人と接することも多いのですが、いずれリタイアの時期がやってきます。孤独に陥るのではなく、孤独を選ぶ老女でありたいと願います。


いすみ鉄道ムーミン列車の窓にはキャラクターのシールが貼られています。
「孤独になるには旅に出るのが一番」というスナフキン。行かないでほしいとムーミンに泣きつかれても「だめだよ。僕は孤独になりたいんだ。来年の春、また会おう」と旅に出ます。